庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

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再生可能電力に対する理解不足は経済成長の妨げになる。

2015-02-19 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギーの必要性は誰しも理解出来る様になったが、その弱点の【悪評が流布して誤解が蔓延】していることが、普及の妨げになっている。

将来の『発電コストが合理的なレベル』になるには、技術進歩と普及拡大による量産効果によるコストダウンが必要であると、理解される様になってきた。

この技術進歩を支援するためには、当面の「再生可能電力事業者」を、採算性が成り立つレベルの支援する制度が必要となる。

これは、「再生可能電力の固定価格買取り制度」の成立と価格設定で、2012年7月にスタートして、各地での普及が進み始めている。

 

ところが、『買取り制度の支援』によって、地域での太陽光発電や風力発電の占める割合が増えると、需要の少ない時期には、余剰電力が発生する。

これを、日本では【九州電力の接続保留問題】として、社会的にクローズアップされたが、誤解だらけのママに、経済産業省は発電抑制に転換してしまった。

つまり、せっかくの発電設備を接続させないで、電力の余剰分を捨ててしまう処置をとってしまうのだ。

この余剰に発電できる能力を活かせないのは、「九州電力管内」の狭い送電線網だけで、地域間の融通をきかせない「現行の地域独占電力体制」が問題なのだ。

 

この地域独占体制を改革するには、2018年の『発電・送電分離制度』が実現して、独占的な電力会社の既得権をはく奪しないとできないと経済産業省は言う。

しかし、九州地区の電力を中国地方や、さらにその先の関西地区に電力を送れる送電線の設備容量は、現在では、十分に余力はあるのだ。

それを国民に説明もしないで、ただ、余剰に電力を接続すると【送電網が管理出来ないから発電抑制しかない】、との【電力会社の言い分を丸のみ】する。

つまり、政治の怠慢による制度欠陥が、せっかくの『再生可能電力の拡充』の意欲を示している地域の「新規事業者のやる気」をストップさせている。

 

これは完全に中央政府の責任であり、中央官庁の制度改善の放棄による。

あたかも、天候に左右される「太陽光発電・風力発電」の変動する発電方式が欠陥であるかの様な誤解を生みだし、あえて普及を止める意思なのだ。

送電線網の強化が必要になるのは、まだ先の課題であるのに、今時点で、電力の余剰分を捨てるしかない様な「欠点を強調する流れ」を当然としている。

これは1990年代から、「再生可能電力は基幹電力には不向き」との悪評を強調して、【原子力発電が将来の主力のベース電源】とした流れの延長である。(続)


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