庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

賃金水準の引上げを政府の総知を結集して全て実行する。

2016-04-27 | 経済問題

デフレ経済の原因が、長期にわたる賃金水準の低迷であることは明確である。

従って政府が介入してでも、『大多数の働く人の賃金引上げ』を実現することが、デフレ脱却の入り口になることには、もはや異論はないであろう。

問題はどのようにして企業経営の判断に、政府が賃金引上げを半ば義務付けのように誘導する制度を、適用していくかにある。

その前に政府が所管している「賃金水準の決定権」が明確になっている分野から、責任感を持って「デフレから離脱できる水準の賃金」に、引上げていくのだ。

最低賃金は当然で、今までは政府の怠慢で低水準に抑えていたのを転換する。

 

民主党政権に交代した時期に、最低賃金の引上げを実施するとしていたのに、民主党内の意見はバラバラで、迷走している間に【東日本大震災に遭遇】した。

自民党政権の負の遺産である【原子力村の癒着構造】によって、やるべき安全対策が手抜きだらけであったことが原因となって、【原発メルトダウン】に至った。

5年たっても原発事故の本格的調査はできず、地元の避難者の将来も見えないまま、【自民党政権の無責任な姿勢で、曖昧なママに先送り】をしてきた。

民主党政権の実行力不足と自民党政権の無責任な先送り姿勢が、日本をズルズルと先進国のレベルから大きく後退させてしまった。

せめて「最低賃金のレベルを先進国並」に引上げることが始まりになる。

 

前にも書いたように、ヨーロッパに主要諸国では、1300円/時以上が実施されている状況である。

アメリカでは各地の州レベルで違いがあるが、大半はヨーロッパ以上の水準で、それでも【収入格差拡大が大きな政治問題】となって、さらに引き上げる動きは活発化している。

日本はアメリカやヨーロッパよりも、「収入格差が少ない」段階であるが、バブル崩壊後は「価格競争力の維持」を優先して「低賃金労働者」を増やしてきた。

先進諸国とは【逆の収入格差拡大の政策】をとり、「賃金デフレの進行」を進めてしまったのである。

 

最低賃金に依存するような「安い人手に頼る仕事」を守っていても、さらに人件費の安い「新興国の仕事」になるので、国内に留めることは無理なのである。

最低賃金の引上げを「政府の責任」で実施して、影響を受ける零細事業者の「生産性向上」の支援を進めるべきであった。

国内のサービス産業での「最低賃金レベル」を採用する企業は、【ブラック企業の潜在的な病根】であって、早晩に退出させるべき企業である。

「賃金デフレの原因」となっている【最低賃金の抑制方針】は、10年以上前にも転換すべきだったが、「政権の怠慢」で不良債権の先送りと同じようにされた。

病根を取り除くことが、「賃金デフレからの脱却」であると覚悟を決めて取り組み、痛みを受ける事業者の再建と、生産性向上を支援する方針にすべきだ。(続)


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