1990年の米ソ冷戦が終了するまでは、軍事力の増強による軍拡競争で優位に立つことが、最大の安全保障政策であった。
しかしソ連は、経済開発の継続性がなくなり、膨大な軍事費の支出に耐えられなくなって、経済的に破綻して自ら白旗を揚げた。
その後は、世界中が資本主義経済の渦中に放り込まれて、自由主義の標榜の元に、経済開発競争に打ち込んできた。
軍事力は、経済力に見合った範囲にするしかないために、軍事力増強による外交戦略は、優位になれる実効性がなくなっている。
いくら軍備を増強していても、継続性がない軍事力は意味をなさない。それよりも圧倒的に経済開発に力を注いで、成功した国は優位になる。
21世紀のこれからの世界では、経済的に成功して、継続性のある経済運営を図る国が、国民の信任も厚いので安定した国力になる。
現代では国の基本方針は、安定した経済力を維持して、国民の信任を得ることができることが最優先の事項である。
19世紀を通じての基本方針は、軍事力の増強であり、それを可能にするために経済発展力が必要とされていた。
今の時代には、いくら軍事力を強化しても、いたずらに他国を警戒させるだけで、何のメリットもない。
北朝鮮にように、いまだに19世紀の方針を信奉している、遅れた認識の国が、世界の厄介者になっている。