アベノミクスの成長戦略には、『再生可能エネルギーの最大限の導入促進』が掲げられていた筈である。
しかし、想定以上に太陽光発電の設置が進んだ電力会社の管内では、需要が少ない時間帯に、太陽光発電の発電量が最大になると、供給過剰になる。
そこで電力会社は、せっかく設置しても「太陽光発電」の送電線への接続条件に、無制限に発電停止の指令ができる様にしてしまった。
太陽光発電を計画する事業者は、設置した設備の償却費用を適正にするには、フル発電が必要になるのに、発電制限が課せられては、採算性が悪化する。
電力会社側の言い分を、優先してしまったので、【太陽光発電の設置機運】は、一気に冷え込んで、経済全体への恩恵は縮小してしまった。
経済活性化になる「再生可能電力の設備投資」に、ブレーキをかけてしまう様な愚かな電力政策が、経済停滞の原因になり、GDPはマイナス成長になる。
電力事業経営の不備を放置して、既得権の電力族産業を擁護している安倍政権には、「GDP600兆円目標」を言い出せる資格はない。
先のブログで提言した様に、『電気自動車の充電に優遇の枠』を設けて、余剰になる時間帯の再生可能電力を、最優先で活用するべきであろう。
日本の経済の再活性化には、新技術の開発促進が不可欠である。
新技術を事業採算性が成り立つまで育成する「新事業環境の優遇策」も、必須の状況になっている。
このどちらが欠けても、将来を担える「新産業の成長」が損なわれてしまう。
再生可能エネルギー産業では、電力関連の技術開発が、「太陽光発電」以外は、経済産業省の愚かな判断によって、出だしの段階で世界から遅れてしまった。
太陽光発電の技術開発は、2000年までは世界の最先端であったが、その後に「新事業環境の優遇策」では、欧州諸国に完全に抜かれて、敗退している。
これから育成すべき技術領域では、『洋上風力発電』の分野が、日本ではもっとも重点を置くべき方向である。
また「浮体式洋上風力発電」の技術開発は、はじまったばかりの段階であるから、今こそ、最重点の国策にすれば、今後の50年を支える基幹産業になる。
同様に、日本の優れた技術基盤をベースにした「将来を担える新産業」に育てる分野を、真剣に審査すれば、多くの新産業、新技術の若芽が見つかるだろう。
既存業界の意見ばかりを採りあげる様では、「600兆円」はカラ手形に終わる。