アメリカは世界第一のGDPを実現している経済大国であるが、一人当たりのGDPにすると、世界の第9位である。
その一人あたりのGDPでの変化は、この60年間で、アメリカは1955年時点から2015年まで向上し続けて12万米ドルになっている。
ちなみに、同じ年の一人当たりGDPは、1955年では日本はアメリカの3分の1程度であったが、1990年にはアメリカの1.4倍程度に、向上したが、その後の停滞で、現状はアメリカの7割程度である。
アメリカのGDPは、その後も向上し続けて、2008年リーマンショック時以外は、上昇し続けてきたので世界第9位のレベルにある。
だが、アメリカのGDP成長は、人口の1%の最富裕層の収入向上に偏ってしまって、あとの99%の人には、恩恵がない状況である。
中所得者層の収入は40年前よりも低くなっているのが実情である。
また、低所得者層の収入は60年前よりも貧しくなっているので、いくら総額GDPが世界第一といっても、豊かな暮らしができていない。
今回の中間選挙では、アメリカの民主党が選挙民の支持を獲得して勝利したが、今までの民主党のやり方では、格差の拡大は止められない。
トランプ大統領は、この低所得層の収入向上を狙って、自由貿易体制に異議をぶち上げて、貿易赤字の大幅改善を打ち出している。
これで製造業がアメリカに戻るかは、全くわからないのに突き進んでいる。