庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

天然ガス火力発電は中継ぎだけでなく、将来は[CO2排出]ゼロ。

2011-05-24 | 快適エネルギー社会問題
再生可能エネルギーが将来の本命であることは間違いないが、その技術進歩にはまだ多くの課題が立ちはだかっている。
何しろ、日本では新規の電力開発への助成金は、9割方が原子力発電に投入され、その中でも、使用済み核燃料の再処理設備の為に、膨大なお金が使われている。
しかも、再処理後の燃料は今の原発では、危ない面もあって、ほとんど使う様になっていない。

今回の大事故によって、マスマス、再処理した燃料を使う計画は、ほぼゼロとなるであろう。
さらに2050年を目指して、プルトニウムが増加する夢の【高速増殖炉】の試験設備が、動き出しているが、これにも膨大なお金がかかり、しかも、成功する見込みはほぼゼロに近い。
この様に、原発にとらわれている状況では、新規の電力を開拓する費用は、ほとんど無駄に使われてしまったも同然である。

ここで、原発に無駄に回っていたおカネを、『再生可能エネルギー』の研究開発に回すことによって、やっと、日本も立ち遅れた分野の開発が軌道に乗り出せる。
しかし、原発にこだわって、失ってしまった時間は15年に相当し、これを取り戻すには、10年以上はかかってしまう。
いくら、政府が今の時点から躍起になっても、この停滞した時間は戻ってこない。

従って、今すぐ『再生可能エネルギー』を主力に置く路線に転換しても、すぐには発電能力は増えて行かない。
最大限にガンバッタとしても、2020年には電力の25%程度を代替する事が精いっぱいであろう。
その間は、原発を廃止すると電力供給が不足する懸念がでてしまう。

それであるから、現段階での最良の選択は、「天然ガス火力発電」の緊急増設が現実的である。
これによって、電力供給力の不足の懸念を一掃して、経済の活性化につながる景気浮揚対策と「需要の大幅喚起」の施策を、打ち出すべきである。

それでようやく、雇用不安がへることで、原発を停止して廃炉にして行く路線に転換できる。
それまでの期間は、原発を抱える地元は、不安を乗り越えるガマンを強いられる。

原発依存症の陣営からは、炭酸ガス排出削減はどうしたのか、と足を引っ張りだす。
だが「天然ガス火力発電」は、化石燃料発電の中でも、[CO2排出]の割合は、一番少ない。
だから、石炭火力発電をできるだけ廃止して、「天然ガス火力発電」に置き換えるだけでも、削減目標は達成できる。
原発をすべて停止しても、温室効果ガスの削減目標は、国際的にも高い評価を受けている「2020年までに25%削減」というレベルを達成できる。

その後はどうするのか。
せっかく建設した「火力発電設備」は、将来の目標を「2050年までに80%削減」の高いレベルに設定すると、無駄な投資になってしまわないか。
心配ご無用。
その時期には、[CO2排出の分離技術]が進歩し、その[CO2ガス]を利用した『藻類の培養システム』によって、大量の「バイオ燃料が効率よく生産」できる技術が完成している。

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