安倍政権は金融バブルを引き起こして、見かけ上の業績向上を企業にもたらして、「経済復活が起き始めている」という空気を作りだした。
空気であるから、いつかは薄まって後には何も実態は残らない。
それでも、経済好転の空気によって、民間企業が従業員の給料アップに協力してくれれば、需要の増加効果によって、実態経済が好転し始める。
しかし、安倍首相はまったく見当はずれの「経団連の経営者」などに、賃金引きあげの要請をするポーズをとるだけで、実効性のある動きはしない。
民間企業は政府の要請を聞いて、給料アップに応じた時代は、【高度経済成長期】の話である。
業績向上によって、勢いをつける施策として、従業員のやる気を引き出す「給与引きあげ」は、一流企業の証でもあった。
しかし、経済停滞が続いて給与の抑制が当たり前の時代になってからは、業績が多少なりとも向上しても、一時金の増額程度しかふるまわない。
給与の増額対象は、ホンの一部の社員の業績向上に対する報奨とするだけで、一般社員は据え置きにするのが当たり前になっている。
従業員の給与増加の為には、成長戦略と称して、新技術の開発や新事業の促進に掛け声を大きくするが、民間企業の研究開発投資を、この10年間以上は絞り続けたので、、成果が出始めるには5年以上かかる。
つまり、アベノミクスの「第三の矢」は、成長戦略によって、企業の業績が向上した成果によって、初めて従業員への給与に反映することになっているが、マトが遠すぎて矢が届かないのだ。
物価上昇を図っている影響で、【働く人たちの可処分所得が目減り】する効果しか、この2~3年は起こらない。
景気回復の空気を作りだしても、可処分所得が増えなければ、一般の国民は生活が苦しくなるだけ事態に陥るのだ。
その上に、消費税増税による消費の落ち込みが確実に起きるから、「物価上昇のモクロミ」である「第一の矢の超金融緩和」も効果が鈍るばかりである。
アベノミクスト言うマジックの「第一の矢」と「第三の矢」は、マトから外れて、一時的な空気だけに終わる。
「第二の矢」の公共事業のバラマキだけは、確実にお金が流出して、国土は、ホンの少し強靭になるが、経済的な恩恵は建設業界だけで終わる。