将来に向けて希望を持てる社会に転換する活動に、大きな障害となるのは、既得権構造にある。
安心できる状況に固執すると、失敗のない生活、仕事に埋没して、すべては、以前からやっていた方式に依存する。
これが、既得権構造を容認して、失敗しない道を選ぶことになっていくが、世界の変化と進展からは取り残される。
それに対応する知恵は、前例から導かれると考えるのは、安易すぎる。
自分の頭でしっかりと理解をして、その上で判断するなら、前例に従って物事を運ぶのは、先人の知恵を活かす上で、当たり前のことである。
しかし先人の知恵の中身は、一時代前の環境、技術、システムにおいては最良であっても、それが日毎に変化しているから、見直しが必須だ。
それを怠って、とにかく今までやっていたから、何の問題もない、と過信して知恵を使わない習慣が染み込んでいては、腐敗が始まる。
人も組織も、常に時代の変化と技術進化を読み取って、新たな知恵を働かせることで、適切に対応できる能力が育つ。
日本人は、1990年代の世界の激動期に、その見直しを真剣に実行してこなかったことで、世界の変化から遅れ、技術進化にも対応が遅れた。
今の苦境は、その怠慢なツケが回ってきているので、悪しき前例主義に安住することなく、自分の頭で考えて活動を続けることから、やり直すのだ。