いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

魂を抜かれて

2005年09月10日 19時59分02秒 | Weblog
 玄関を入るなり、ドキドキするのといいながらの家内の第一声に驚いて「どう
した」と聞き返した。兎に角心臓が破裂しそうと言うだけで言葉が出てこない。

 実は今日、「久保田一竹回顧展」を見てきたのと話し出した。富士山をモチー
フとした華麗な着物展の展示品に魅せられて,心臓の高鳴りを抑えながら一点
一点を見ていると、その作品に吸い寄せられそうになり怖くなった、と。

 とにかく言葉では言い表せない。神業と言う以外表現のしょうがないとパンフ
レットと絵葉書を取り出した。

 元来、家内は富士山が大好きで、主に陶器を中心に蒐集している。ただ、今
回の作品は、富士山と言うだけでなくその色、作者独特の配色に圧倒されてい
る。

 今、横浜高島屋8階で9月7日~19日まで開催されている。そのパンフレット
によれば、

  『雄大な自然の移ろいを慈しみ、彩りを重ねて染める芸術「一竹辻が花」』

 久保田一竹は20歳の時、室町時代の「辻が花染め」の小裂に出会って以
来、独特の「辻が花」の製作研究に、心血をそそいでまいりました。20年間の
辛酸を嘗め尽くした研究の末、60歳にして初めて納得のいく作品が完成。
これを『一竹辻が花』と命名しました。1977年に初の個展を開催。以来、
日本国内、ヨーロッパ及び北米において、延べ90都市にて個展を開催し、大好
評を博してまいりました。
 




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思わぬ出会い

2005年09月10日 18時56分03秒 | Weblog
 午前中のダンスレッスンの後、一年ぶりに三浦海岸へ投げ釣りに出かけた。
海辺にあるいつもの釣りエサ店に赴いたが無い!空き地になっている。

 ああ、今日の釣りはダメか。と思ったが、三十分ほど歩けば確か売店があっ
た筈の記憶をもとに歩き出した。自販機があった。500円!

 店の直ぐ下の浜辺で第一投を試みることにした。狙いは、キスとメゴチ。天婦
羅にしたら最高の味。

 その前に、勤務中の家内に電話を入れた。「てんつゆをつくって待っていま
す」の応答だった。第一投。この感触でこの場所は釣れるかどうかの判断がつ
く。残念ながらフグが掛かってきた。

この場所はダメと判断して探り探り移動したが、当たりが無い。私の釣れる秘
密の場所は、ここから20分程かかる。、そこは、海辺10メートルの範囲以
内で投げれば必ず、キスかメゴチが釣れる30年以上も通っている場所である。

 兎に角歩いて目的地に着いた。支度をして、さてエサを付けようとしたらエサ
がない。歩いている途中で落としたらしい。今日の釣りは諦めた。そこで、家内
に電話しようとリックを探したが携帯もない。

 こりや大変と、もと来た道を辿って行ったが見当たらない。もうダメかと諦め
最初の地点に着くとなにやら砂浜にキラキラと光るものが見える。

 あった!! 私の携帯が、信じられない。感激の出会いである。自分の大切
な物が手元に戻ることがこんなにもうれしいことかと実体験した。

 携帯をなぜながら家内に電話を入れた。今日は獲物は無いよ、と伝え一部始
終を話した。だけど、見つかって本当に良かったわね。と言うことで本日の食
卓に天婦羅は無かった。

 
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薔薇

2005年09月10日 08時39分08秒 | 心に留めた言葉
    「薔薇に対するヨーロッパ人の賛美を、我々は分かつことを
     えない。薔薇は桜の単純さを欠いている」。
    『武士道』のなかで新渡戸稲造がそう書いているが、その色
     形の気品と芳香の万華鏡のような広がりが人々を薔薇作
     りのとりこにする。

        平成16年5月1日日本経済新聞(春秋)
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好きな花は、なぁに?71編

2005年09月10日 08時24分06秒 | 娘のエッセイ
 九月は私の誕生日だった。そこで私は淡い期待を抱きつつ、さりげなく事前に
好きな花の名を彼に教えておいた。

しかし、当日待ち合わせた場所に現れた彼は、「本当は花束も持ってこようと思
ったんだけど、名前を忘れちゃってさ」と言い、私の淡い期待は無残に打ち砕れ
てしまった。

「きっと、トルコ桔梗という名前が難し過ぎたんだよ」そう自分に言い聞かせ、
自分を慰めるしかなかった。

 好きな花のアンケートを見ると、必ず一位は「薔薇」である。確かに薔薇はい
い。花の女王様だ。蕾から始まり、咲き切るまでの間、どの時期をとっても、
その姿は魅力的だ。

そしてその後も、ドライフラワーやポプリにすれば、いつまでもその姿や香りを
楽しむことが出来る。これだけ一本で楽しめる花は他には無い。

 それに、『好きな花は何?』と男性に聞かれた時、薔薇と答えておけば無難だ
からという理由もあるのではないだろうか?

 薔薇は男性にとって、覚えやすいし、わかりやすい。結果としてプレゼントして
貰う確率も自然と高くなるはずである。

けれど花好きな女性なら必ず、『薔薇もすきだけれど、本当に好きな花は……』
という花があるに違いないと私は思う。

 三年程前のこと。私が通っていたフラワーデザイン学校で、ウェディングショー
なるものを催した。場所は川崎のプラザである。

数名の生徒がドレスを着て、生徒の作ったブーケを手に舞台を歩くという構成
で、私もそのモデルの中の一人であった。

 その時、私が持ったブーケは、トルコ桔梗のブーケと、デンファレと百合のブー
ケの二種類だった。そして後でその時の写真を見て、面白いことを発見した。

同じはずの私の笑顔が、トルコ桔梗のブーケの時のほうが断然にいのだ。たか
が花の種類一つで笑顔の質が変わる私も私だが、やはり花の力は凄い!と感
心する出来事であった。

 世の男性方も、女性の特上の笑顔を見たいのなら、その女性の本当に一番
好きな花を探り出し、プレゼントしてみたらいかが?


『講評』

  800字エッセイの見本のようでした。ちょぴりしゃれた、決して大げさでは
 ないが、心のメロディが鳴るようなモチーフ、書き出しから結びまで、必要にし
 十分で、ぴたりと決まった構成、そして、いつもながら申し分のない文章表現。
 よく出来ました!
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