いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

名前の選択 62編

2005年09月01日 08時22分15秒 | 娘のエッセイ
 夫婦別姓が法律化されるかどうかが、話題になっている。
 私がまだ学生だった頃「名前が変わりました」という報告は、ある種、幸せの象
徴のようなものだった。

しかし時代が流れ、女性達の意識と生き方が変わった今、結婚による姓の変更
は、決して少なくない数の女性達に苦痛を与えるものとなってしまったのである。

 今年の春、結婚することが決まった友人のT子。彼女は保険会社に勤めてい
る。しかもかなり優秀な営業ウーマンだ。彼女は結婚するにあたり、自分の姓が
変わってしまうことに対してとても頭を悩ましていた。

つまり「せっかく名前えを覚えてもらったのに……」ということである。しかし、
彼女の女性上司は「いままでより、これからのほうが仕事を続けていく時間は
長いのだから、今、名前を変えてもなんの障害にもならないわよ」と、T子に

忠告したらしい。結局彼女は夫の姓になるようだが、一抹の不安(不満?)はあ
るようだった。

 ところで、仕事や性差別以外の面でも、姓を変えることによる弊害はある。
「ミキ」さんという名の知人がいる。そして彼女が結婚した相手の姓は、三木。

つまり、彼女は結婚して「ミキミキ」になってしまったのだ。なんと愉快な名。
もし彼女の名がさくらで、桜さんと結婚したら「さくらさくら」。歌を歌っちゃ
いそうな名である。

 うーん、こんなことで遊んじゃいけない。そう言えば私の母はどんな姓にも合
うようにと、私達二人の娘には「子」のつく名前を付けたそうだ。

なるほど件のミキさんも、ミキコという名なら「ミキミキコ」という収まりのいい
名になる。でも、果たしてそれがいいことなのか?

 ところで、ユーミンのように「相手の名が松任谷だったから結婚した」という
女性もいるのだから(実にユーミンらしい)一概には言えないが、「名前が変わ
りました」は、もう幸せの象徴ではなくなってしまったらしい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする