いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

お洒落の秋なのに 73編

2005年09月19日 10時19分00秒 | 娘のエッセイ
 秋といえば『お洒落の季節』、と思うのだが、猛暑のなごりかこの暑さでは、
シックに装うなどという気も失せる。いや、理由は暑さのせいだけではない。

なぜだか最近は、ウィンドーを飾るファッションに心がときめかないのだ。今
までは春夏用にドカン、秋冬用にドカンと給料やボーナスをつぎ込んできた
のに、今年は、まだブラウス一枚とプチスカーフを一枚買ったきり。まったく
私らしくない。

 思い当たることの一つは、バブルな時代にバブルなOLをしてしまったこと
か。むろんシャネラーなどにはなれなかったが、ちょっとばかり背伸びをした
金額の服を買うのが当たり前になっていた。

それらの服は五年経った今でも立派に活躍してくれているが、今の給料では、
もうその金額は出せない。つまり欲しい服は高すぎる、でも安い服はいまいち
ダサイ。

おまけに、さし当りは以前買った服で間に合う。だから買わない。というわけ
なのだ。

 また、勤務地の環境というものも影響が大きい。会社の最寄り駅である○○
駅周辺というのは、言わずと知れた飲み屋街。とにかく超ガラが悪い。

ちょっとばかりお洒落をしていると会社帰りが怖いのだ。オジサンの視線を
浴びるぐらいならまだマシで、いきなり手を握られたり、声を掛けられたり、
はたまた十代とおぼしき少年達の痴漢に遭ったりと、まったくロクナことがない。

だから本当は会社が許してくれるなら、ジーンズにシャツという格好で通勤した
いくらいなのである。

 そしてトドメは、会社の男達の色気のなさだ。前の会社では、お互いの服装、
アクセサリー、香水(男も香水をつけている奴がいた)などを随時、批評しあっ
ていたのである。これは実に良いことで、お洒落に力が入った。

 結局、刺激してくれる相手がいず、環境にも恵まれない私はひとつの道を選
んだ。それは、通勤服と休日服をきっちりと分けることも。もちろん、メイクも
ファンデーションから変える。

 だから、今はメイクで秋をしている。
 でも、会社用メイクはオールシーズン用だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする