Eur-Asia

西洋と東洋の融合をテーマとした美術展「ユーラシア(Eur-Asia)」の開催を夢見る、キュレーター渡辺真也によるブログ。

ベクと4年ぶりの再会

2006-10-31 10:35:13 | Weblog
昨日は休みだと言うのに朝から仕事。その後、昼からサッカーのゲームに参加。あまりにも忙しくて、昼飯はサッカー場までの道のりで歩きながらピザを食べる。

サッカーの試合後、家でシャワーを浴び、一仕事してからウエストビレッジ在住の美術史家である富井玲子さんの家に伺う。最近お亡くなりになられた松沢宥さんに関する資料を見せてもらう為だ。さすが富井さん、松沢氏の初期の活動を含む、大変多くの資料を持っておられ、おもわず唸ってしまう。こういう方がNYにおられる、ということは日本美術界にとって大変なプラスだなぁ、と改めて関心した。その後、富井さんと一緒にご飯を食べながら、MoMAで行われているブライス・マーデン展などに関して議論する。富井さんは絵画を常に歴史の文脈にて捉えているので、その視点を伺うことは、私のとって大変勉強になった。

食事後、もう夜11時を回っていたのだが、頑張ってイーストビレッジに移動、NYにやってきたばかりの友人のベクと一緒に飲みに行く。

ベクは韓国人の留学生で、今はNYUの大学院で映画の勉強をしている。私がベクと知り合ったのは4年前、私が所属していた早稲田のシネマ研究会でのこと。当時ノースウエスタン大学で映画を勉強していたベクが、早稲田の一文に留学してきていて、その時に仲良くなったのだ。同じイリノイ州の大学に行っていたアジア人、というだけで、日本に帰国して間もなく逆カルチャーショックに苦しんでいた私は、すぐ意気投合したのだった。

あれから4年経って、ベクももうすっかり大人になっていた。軍隊に行ったのが大きいのかも。「真也くん、変わらないねぇ」と言われて笑われたけれど、でも、4年ぶりとは思えないほど話が盛り上がって、楽しかった。

最後にベクに会ったのは、渋谷でのこと。友達の雅也と剛と一緒に、飲みにいったのが最後だ。渋谷の町を歩いているとき「韓国マッサージ」という看板があって、ベクに「日本で韓国マッサージと書いてあると、概してエッチなお店なんだよ」と教えると、口をあんぐり空けてから、「どうして、どうして」と聞いてきたことを、昨日のことの様に思い出す。

ベクは、兵役での韓国、現在住んでいるアメリカにいると、日本にいた1年間が夢のように思い出される、また住みたい、と言ってくれたのが嬉しかった。あれだけ日本の社会で苦労していたベクの口からこういう言葉が出るのは、私にとって、何だか救われた気分だった。