経済同友会終身幹事である品川正治さんの講演会「戦争、人間、そして憲法九条」の記事を読んで、心底共感した。品川さんこそ、私の考える9条論と最も考えの近い人だと思う。私はほぼ100%、彼の考えに同意する。
品川さんほど、憲法第九条の意味をちゃんと説明できている人は、そういないと思う。本当に優秀な人だ。その根底には、学生時代にカントをしっかり読んだということ、そしてアメリカの資本主義をちゃんと理解している、ということなどが挙げられる。
私も学生時代、日本とアメリカで経済学を学んでいたのだが、グローバル化というお題目の中でアメリカのやり易い様に世界の経済システムが引き込まれていくことに大変な危機感を覚えた。例えば日本での規制緩和に関する議論を見ても、まるで規制を緩和すれば経済が良くなる、という様な変な思い込みが強く、どうして日本の経済がこんなになってしまったのか、疑問に思ったものだ。また、日本にしてもアメリカにしても、外部不経済に対する考え方が弱く、どうしたらそれを克服できるのか悩んだものだが、品川さんは、それを全て踏まえているように思う。
品川さんの言った言葉の中で、私がもっとも同意するのは、以下の箇所だ。
「戦争は天災ではない、人間が起こすのだ、人間が止めることもできるのだ、なぜそれに気がつかなかったのか、と。」
私はブログでも何度も書いてきた様に、戦争はシステムの問題であり、戦争をしたら全員が損をするシステムを作れば戦争は起こらない、と考えている。広い意味での経済的パレーシアが起これば良いのだ。現在の世界、特にアメリカにおいては、軍産複合体を生んでしまった為、特定の利権団体が戦争を起こして武器を消費させなければならない、という戦争中毒の状態に陥ってしまった。しかし、日本は軍産複合体が存在しない、という世界的に珍しい発展モデルを生んできた。これは、これからも維持すべきであるし、それを「日本モデル」として世界に向かって示すべきだ。
以前、どこかでオノ・ヨーコさんが「平和がいちばん儲かる」と話していたのだが、まさに達観だ。どうして、こんな簡単なことを、みな理解できないのだろうかと思う。戦争をして損をするのは、一部の利権を握った人間以外の全員である。
よく9条の話をすると、「北朝鮮が攻めてきたらどうする?」という聞き方をされる。しかし、これは問いの立て方が間違っている。あまりにも貧しい問いだ。思考のレベルが停止している。その問いを持つものは、なぜ、自らがそういった問いを立てたのか、自問すべきだ。
それは、子供が「なぜ人を殺してはいけないの?」と聞いているのと同じである。これも、質問の立て方が間違っている。そう聞かれた親は、なぜ、子供がそういう疑問を持ったのか、自問してみる様に促すべきた。
品川さんが、そういう下らない質問を立てないで済んだ理由の一つに、講演中に見られる三好達治との出会いがあったと思う。私の好きな話で、三好達治が戦後、朝日新聞社の取材でヘリコプターに乗って、何か詩を書いてくれ、と頼まれた際、確か達治はこんな詩を書いていたと思う。「そろそろお腹もヘリコプター」(だったかな?)
私もお腹がヘリコプターなので、ご飯でも食べよう。
品川さんほど、憲法第九条の意味をちゃんと説明できている人は、そういないと思う。本当に優秀な人だ。その根底には、学生時代にカントをしっかり読んだということ、そしてアメリカの資本主義をちゃんと理解している、ということなどが挙げられる。
私も学生時代、日本とアメリカで経済学を学んでいたのだが、グローバル化というお題目の中でアメリカのやり易い様に世界の経済システムが引き込まれていくことに大変な危機感を覚えた。例えば日本での規制緩和に関する議論を見ても、まるで規制を緩和すれば経済が良くなる、という様な変な思い込みが強く、どうして日本の経済がこんなになってしまったのか、疑問に思ったものだ。また、日本にしてもアメリカにしても、外部不経済に対する考え方が弱く、どうしたらそれを克服できるのか悩んだものだが、品川さんは、それを全て踏まえているように思う。
品川さんの言った言葉の中で、私がもっとも同意するのは、以下の箇所だ。
「戦争は天災ではない、人間が起こすのだ、人間が止めることもできるのだ、なぜそれに気がつかなかったのか、と。」
私はブログでも何度も書いてきた様に、戦争はシステムの問題であり、戦争をしたら全員が損をするシステムを作れば戦争は起こらない、と考えている。広い意味での経済的パレーシアが起これば良いのだ。現在の世界、特にアメリカにおいては、軍産複合体を生んでしまった為、特定の利権団体が戦争を起こして武器を消費させなければならない、という戦争中毒の状態に陥ってしまった。しかし、日本は軍産複合体が存在しない、という世界的に珍しい発展モデルを生んできた。これは、これからも維持すべきであるし、それを「日本モデル」として世界に向かって示すべきだ。
以前、どこかでオノ・ヨーコさんが「平和がいちばん儲かる」と話していたのだが、まさに達観だ。どうして、こんな簡単なことを、みな理解できないのだろうかと思う。戦争をして損をするのは、一部の利権を握った人間以外の全員である。
よく9条の話をすると、「北朝鮮が攻めてきたらどうする?」という聞き方をされる。しかし、これは問いの立て方が間違っている。あまりにも貧しい問いだ。思考のレベルが停止している。その問いを持つものは、なぜ、自らがそういった問いを立てたのか、自問すべきだ。
それは、子供が「なぜ人を殺してはいけないの?」と聞いているのと同じである。これも、質問の立て方が間違っている。そう聞かれた親は、なぜ、子供がそういう疑問を持ったのか、自問してみる様に促すべきた。
品川さんが、そういう下らない質問を立てないで済んだ理由の一つに、講演中に見られる三好達治との出会いがあったと思う。私の好きな話で、三好達治が戦後、朝日新聞社の取材でヘリコプターに乗って、何か詩を書いてくれ、と頼まれた際、確か達治はこんな詩を書いていたと思う。「そろそろお腹もヘリコプター」(だったかな?)
私もお腹がヘリコプターなので、ご飯でも食べよう。
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