Eur-Asia

西洋と東洋の融合をテーマとした美術展「ユーラシア(Eur-Asia)」の開催を夢見る、キュレーター渡辺真也によるブログ。

スペース配分とプレスリリース

2005-06-30 15:47:56 | Weblog
今日はお昼からWhite Boxにて、展示作品に関する詳細ファイルを提出する。ミリツァが日本における滞在製作を達成できなかった為、彼女の作品はNYでは展示できない事になってしまった。その為、スペースにかなりのゆとりができてしまい、そのスペースをどうやって埋めるかについてホァンと相談する。

また、ギャラリストのヤシャと一緒に、プレスリリースについて少し話す。私は文章を書く際、どうしても長くなってしまう傾向があるのだが、White Boxでのプレスリリースは1ページ内に収めなくてはならない。つまり、最長でも3パラグラフの中に収めなければならないのだ。私が書くと感情が入りすぎてしまい長い文章となってしまいそうなので、私が書いた文章をヤシャが編集する事で合意する。

今日はトライベッカのエイペックスアートでオープニングがあり、挨拶がてら訪ねてみたかったのだが、体力が尽きて迎えず。家に帰ったら爆睡してしまった。時差ぼけを調整しようと思い、寝ていなかったのが無理だったみたいだ。まあ時差ぼけなんて、あと2日くらいもすれば、自然と消えていくことでしょう。

It's up to you, New York, NY!

2005-06-29 01:48:44 | Weblog
東京での仕事をある程度片付けて、NYへと帰る。帰りのフライトの際、アメリカから往復チケットを購入した為、片道チケットしか持っておらずかなり焦る。そう、私はアメリカのビザを却下されてしまった為、今回の入国から3ヶ月おきしか滞在できないという悲惨な状況なのだ。そこで、ノースウエストのカウンターで片道チケットを定額で買う。このチケットはキャンセルすれば全額返ってくる優れものだが、忘れたら大変なことになりそう。今度成田に来た時には絶対忘れない様に気をつけないと。

JFKからタクシーで私のアパートがあるロウアー・イースト・サイドへ向かう。4ヶ月ぶりの我が家だ。スペイン語が聞こえる。中国語が聞こえる。ああ、返ってきたなという実感。ルームメートに挨拶して、近況報告。ルームメートのSさんは明日からフロリダに行くそうで、愛犬プイプイ(ボストンテリア)の世話を頼まれる。プイプイもちょっと前まで子犬だったのに、久しぶりに見たらでかくなっていてビックリ。部屋には私宛のギャラリーやミュージアムから山ほどフライヤーが来ていてビックリ。私の戦う場所はやはりNYだ、と再度確認してしまう。

時差ぼけの中、無理して一晩寝てから、展示を行う予定の、チェルシーにあるホワイトボックスギャラリーのディレクターのホァンとカーラに会う。随分久しぶりに会った気分だが、2人とも元気そうで何より。SOHOにあるカーラのアパートにスペイン産の赤ワインとコッシャーフードを持ち込み、話し込む。ファンドレイジングの話になってしまうとさすがに厳しい表情にならざるを得ないが、その他は万事快調。しかし、すぐ展示作品のjpgイメージを作ってボードメンバーに提出する様求められる。それはそうだ、私もこれだけ長くNYを空けていたのだが、彼らもさぞかし心配だったろう。

展示のオープニングは、月曜日にもかかわらず、8月15日の終戦記念日にあわせるということで、特別ギャラリーを空けてもらうことに。ちなみにクロージングは9月10日。9月の第一週というチェルシーの最大のオープニングウィークに当たるので、これはベストの会期ではないだろうか。ホァンとカーラに再度感謝する。日取りが完全に確定したので、チケットの予約で心配していたポルトガルのイネスに真っ先に連絡する。

夜はホァンと一緒にイースト・ビレッジのバーで他のギャラリストとアーティストと話し込む。イラン出身のビデオアーティストとボスニアとイランにおける文化的相互性について話す。そんな時、バーテンのダナさんが割り込んで、コロラドにおけるアイルランド人問題から、彼女の専門であるシエラレオネにおける人権問題まで話が膨らむ。

日本において国民国家的な話が、共同幻想という盲目的な合意の中で忘れ去られている事を、NYという街はたった一日で思い知らせてもらえた。NYは、そういうことを考えるにはベストの場所のひとつだろう。

芸大でのレクチャー+サパティスタ

2005-06-25 01:26:09 | Weblog
北九州から実家の静岡を経由して、神奈川の橋本へと戻ってくる。北九州滞在中に、ついに私のパソコンが壊れてしまった為、町田にて新しいパソコンを購入する。痛い出費だ。
その後、お世話になった人に挨拶する為、千葉に向かう。その関係で、橋本に帰ってくるのは夜中に。そこからNYに電話したり、溜まっている仕事を片付けていく。
昨日は朝に一つミーティングをこなしてから、午後は東京芸大にて茂木健一郎さんの授業枠にてレクチャー。茂木さんには本当にお世話になっている。当初、茂木さんのテーマであるクオリアから授業を進めようと思い、茂木さんの好きなバッハとワーグナーからヨーロッパにおける宗教とネーションの関係について話を進めていたのだが、殆ど寝ないでレクチャーをした為か、話しているうちに頭の中が真っ白になっていった。私は人前で話すのが得意なのだが、これには困った。
レクチャーの後半は質疑応答をしたのだが、なかなか面白い質問もでて良かった。一番厳しいのは「こういった国民国家などの問題はアートでやることですか?」という質問。困ってしまった。ネーションに関する質問は一つも出なかったのが残念といえば残念。
今日はさすがに疲れていた為か、お昼まで寝る。午後からセイラのポストカードを海外に送る準備をする。
そんな中、サパティスタ解散のニュースが飛び込んでくる。グローバル資本主義とネーションの問題を扱っていた彼らだけに、解散には複雑な心境だ。でもこれでマルコスの顔が見れるのか、と思うと不思議な思いが。メキシコの覆面レスラーみたいなものだもんね。

東京芸大にてレクチャーします

2005-06-22 00:42:16 | Weblog
東京芸大にて、茂木健一郎様のご好意にてレクチャーを行なう事になりました。ぜひいらして下さい。

東京芸術大学 美術解剖学授業
渡辺真也(「もう一つの万博 - ネーション・ステートの彼方へ」キュレーター)
http://spikyart.org/anotherexpo/index.htm

「国民国家から見るクオリアとアート」

ヨーロッパが生んだ近代は、植民地主義と世界大戦を生み出したが、そこには国民国家の成立という大きな契機があった。そこにおける芸術は、果たしてどんな役割を果たしたのだろうか?

バッハとプロテスタンティズムの関係から資本主義の発生、そこからベートーベンとナポレオン戦争、国民国家の成立から世界大戦まで、さらにはヨーロッパの東西分裂からユーゴ解体に至る民族紛争へ 、そこで果たした芸術の役割について述べる。

ニューリージョナリズムやEU憲法批准問題、さらには憲法第九条改正や「帝国」の問題が叫ばれる今、芸術はラディカルであり続けることはできるのか?国民国家における内外問題、他者論に迫る。

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2005年6月23日(木)
午後3時35分-午後5時
東京芸術大学 上野校地 美術学部 中央棟
第3講義室(2F)

http://www.geidai.ac.jp/campus/ueno_campus.html

北九州にてオープニング!

2005-06-19 20:59:30 | Weblog
昨日はついに北九州における展示のオープニングがあった。

朝、展示のボランティアさん達やギャラリー関係者と共に、プラットフォームの会場である北九州市立美術館へと向かう。2時から開始するプラットフォームの為、12時に会場入りしたのだが、準備に手間取る。やはり一番手間取ったのは、PAL形式のDVDだった。

1時よりセイラが会場入りするも、体調が優れない様子。そこで会場の準備室でプラットフォーム開始まで休んでもらうことに。しかし、彼女もやはりプロ。シンポジウム中は非常にしっかりしたプレゼンをしてくれて、大変嬉しかった。会場にいらしてくれた多くの皆さんも、この内容には満足してくれたと思う。

シンポジウム終了後、展示のメイン会場である旧130銀行ギャラリーへと向かう。美術館から皆さんの車で相乗りして会場に向かったこともあり、かなり多くの方が会場にお見えになってくれた。さらにNHKのクルーも駆けつけてくれ、セイラと私もインタビューを受けることに。近いうちに放映してもらえそうだ。

その後、私は第二の会場であるlevel1に向かい、展示にいらしてくれた方々と談笑する。ここでの展示は本来ミリツァ・シモノビッチの新作展になる予定だったのだが、彼女が帰国してしまった為、急遽東京と京都におけるプラットフォームの映像を流すことになった。東京芸大でのプラットフォームは全て英語で行なわれた為、全編に字幕を付け、クローズアップと固定のカメラ2台のデータから編集したビデオを作品として流す。そして京都精華大学にて行なわれたプラットフォームは全て私が逐次通訳を行い、一台のビデオで撮影したので、編集せずにそのまま流すこととなった。さらにテーブルの上には展示に関係するファイルを置いて、観覧者が自由に読めるようにした。セイラは体調不良の為、level1に来ることができなかったのが、少し残念。

夜8時からは、第3の会場であるギャラリーSOAPにてオープニングパーティ。この会場にも本当に多くの方が駆けつけてくれた。ここではセイラがポストカード型の新作「Sejla-san / セイラ 夢 / Sejla Dream」を発表し、作品購入者にセイラが宛名を書いて作品を投函するというパフォーマンスを行う。セイラが漢字を書いている姿は、なんだかほほえましかった。ここでも多くの方に作品を購入して頂、大変嬉しかった。

本来であれば明け方4時までパフォーマンスを続けたかったのだが、セイラの体調が優れなかった為、1時にてパフォーマンスを切り上げ、その後は休憩にあてる。セイラのフライトは朝7時なので、ギャラリーSOAPから駅まで直接向かう予定だったが、セイラの体調の事もあり、一旦level1に移動し、少し休憩後、移動することに。2時間ほど仮眠をとってから、小倉駅にタクシーで移動し、その後空港に向かう。

1ヶ月あっという間だったね、なんて話を電車の中でする。こんなに長い間キュレーターと仕事したことないでしょう、とセイラに聞いた所、もうあなたはキュレーターじゃあないよ、もう私の弟みたいなものだ、と言われ爆笑する。

福岡空港から成田に向かう際には、私の姉が同行することに。福岡空港でのお別れの際には、さよならは悲しいから言わないように、と行って、see you later、と言って別れる。セイラは展示中、9月の第一週にNYに来るので、あと2ヵ月後また再会するのだ。それまでしばしのお別れだ。

八幡の滞在先の家に帰ってきたときは、もう朝の10時。それから仮眠を取るが、悪夢にうなされる(笑)夢の中で私がもう一人でてきて、大変混乱した。

まあ、なにはともあれ、日本での展示はこれでひと段落。まだまだ先は長いが、とりあえず大仕事を終えた気分だ。あとは、26日までの日本滞在中にファンドレイジングもやれるだけやらないと・・・(笑)

「もう一つの万博 - ネーション・ステートの彼方へ」 - 作品展示+プラットフォーム in 北九州

2005-06-17 02:57:34 | Weblog
「もう一つの万博 - ネーション・ステートの彼方へ」 - 作品展示+プラットフォーム in 北九州

参加アーティスト
セイラ・カメリッチ & ミリツァ・シモノビッチ

6/18 (Sat) - 7/1 (Fri)
プラットフォーム会場 北九州市立美術館
作品展示会場  北九州市立旧百三十銀行ギャラリー/ギャラリー SOAP/成長型アー
トスペースlevel1

「もう一つの万博 -ネーションステートの彼方へ-Platform in Kitakyushu」は北九
州市の現代美術の環境を支えてきた 北九州市立美術館と3つのギャラリーを会場とし
て、国際的にも有名なニューヨークの非営利ギャラリー 「White Box」と共同で開催
します。国際的に広く活躍しているセルビア・ベオグラード在住ミリツァ・シモノ
ビッチ、 ボスニア・サラエボ在住セイラ・カメリッチの二人の美術作家を北九州に
招き、北九州市立旧百三十銀行ギャラリーで 両作家の旧作平面作品を一堂に展示、
成長型アートスペース level1ではミリツァ・シモノビッチに関する展示、またギャ
ラリー SOAPではセイラ・カメリッチによる日本滞在中に制作した新作展示が行われ
ます。

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作品展示会場
各ギャラリー全て月曜日休み6月20日(月)、27日(月)

●成長型アートスペース level1
〒802-0076 福岡県北九州市小倉北区中島1-15-3 TEL 093-512-5524
開館時間 12:00~19:00
ミリツァ・シモノビッチともう一つの万博に関する展示。

●北九州市立旧百三十銀行ギャラリー 
〒805-0061 北九州市八幡東区西本町1-20-2 TEL 093-661-9130
開館時間 10:00~18:00
両作家の旧作平面作品を展示。

●ギャラリー SOAP  
〒804-0004北九州市小倉北区鍛冶町1-8-23 2F TEL093-551-5522
展示時間 火曜~日曜 14:00 ~18:00
セイラ・カメリッチによる新作展示 + パフォーマンス(オープニング当日のみ)
カフェ営業時間 火曜~木曜 14:00~24:00 金曜・土曜 14:00~26:00 日曜 14:00
~20:00

もう一つの万博公式HP 
http://spikyart.org/anotherexpo/index.htm

Kian (北九州アートネットワーク)
http://kian.jp/nation/

●オープニングパーティ
場所 ギャラリーSOAP 日時 2005年6月18日 (土)20:00~

サラエボ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)より来日したアーティスト、セイラ・カメ
リッチの展示オープニング・イベントを、6月18日14:00からの北九州市立美術館での
シンポジウムの後、6月18日の20:00よりギャラリーSOAPにて行います。

このオープニングでは、アーティストのセイラ・カメリッチ本人が、彼女の新作、ポ
ストカード型の「Sejla-san」「セイラ夢」「Sejla Dream」購入者に、購入者の希望
する住所を書き込み投函するパフォーマンスを行います。

ポストカードの販売価格は、バラ販売の場合1枚2500円、5枚セットでご購入頂いた方
には1万円です。アーティスト滞在中のこの機会に、ぜひ直接本人よりご購入下さ
い。購入希望の方は、送り先のご住所をご持参下さい。

●プラットフォーム(シンポジウム)
もう一つの万博プラットフォーム 国民国家を超える現代美術 
-旧ユーゴ出身のアーティストを迎えて-
パネラー セイラ・カメリッチ (アーティスト、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラ
エボ出身)
     渡辺真也「もう一つの万博」実行委員会 キュレーター *逐次通 訳  


●場所 北九州市立美術館 講堂
日時 2005年6月18日(土)14:00-15:30  入場料1,000円
〒804-0024北九州市戸畑区西鞘ヶ谷町21-1   TEL 093-882-7777 

●お問い合わせ
成長型アートスペースlevel1
〒802-0076 福岡県北九州市小倉北区中島1-15-3 TEL 093-512-5524
E-mail level-1@mail.goo.ne.jp URL http://www1.bbiq.jp/level-1/

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主催 もう一つの万博実行委員会
共催 Kian (北九州アートネットワーク)
助成 財団法人 野村国際文化財団/ 財団法人 朝日新聞文化財団/北九州市文化振興
基金奨励事業  
後援 セルビア・モンテネグロ大使館/ボスニア・ヘルツェゴビナ大使館   

北九州での展示準備

2005-06-17 02:54:35 | Weblog
北九州入りしてから、展示準備に入る。到着後、まず旧130銀行ギャラリーを下見してから。ギャラリーSOAP、level1にて打ち合わせ。ギャラリーでの役割を確認したり、DVDの再生状況やプレゼン方法を調べたり等多くの作業を行なう。結果、多くの仕事が必然的に出てくる為、それをこなしていく。

昨日、展示用のボスニアン・ガールをゼロックスにてひたすらA3サイズで160枚コピーして、壁に貼る準備をする。しかし、コピー終了後、セイラは作品「ボスニアン・ガール」のA3サイズに納得がいかない様子。ミリツァのカラー作品で全て色の違うチャンピオンズリーグにて埋め尽くされた壁と較べると、モノクロのボスニアン・ガールはパターンの様に見えてしまうのではないか、とセイラは危惧していた。そこで、A0サイズにて拡大したものをリズムをつけてインストールする事で合意する。夜中の12時にキンコースに行き、拡大コピーしてインストールの準備を行なう。

今日は130銀行ギャラリーにて朝10時からインストール開始。多くのボランティアさんと一緒に、壁にボスニアン・ガールとミリツァのチャンピオンズ・リーグのインストールから開始する。しかしなかなか両面テープが上手くいかず、貼り付けるのに苦戦する。そこでスプレーのりを使って貼り付けるが、それを使った所が浮き上がってしまったりして、大変設置に苦労した。

いちばん参ったのは、セイラのム3つのービーだ。PAL形式であった為、通常のDVDプレーヤーで再生できない。そこで、PALが再生できる機材を他のギャラリーから借りてきて、それを使用することに。さらに残りの2つのPAL形式のムービーは、AVIのローデータがあった為、そこからNTSCに直接落とす。この作業を夕方から他のギャラリーにて行なった為、大分手間取ってしまった。結局、全ての展示準備が終り、ギャラリーを発つ時は12時近くになっていた。

しかし、ボランティアのみなさんのご協力もあり、かなりカッコよく展示ができた。ここまで力を入れてインストールした展示は、なかなかないだろうと思う。オープニングが楽しみだ。

それにしても、美術展示は皆の努力があって初めて成り立つものだと痛感する。協力者の皆様、今一度ありがとうを言わせて下さい。本当に、ありがとうございます。

京都・東京・京都

2005-06-13 20:03:11 | Weblog
京都ではプリント工場にてプリントの質をチェックし、詳細を確かめてから私は東京へと向かった。大使館での用事と、ビデオ編集に関する仕事、そしてセイラのHomeSICKをインストール後、友人のアーティストのオープニングに立ち会う為だ。

大使館での用事を済ませた後、協力者の方々とビデオ編集にて新宿のカフェで5時間ほど滞在し、ひたすら作業に追われる。特に翻訳作業は大変だったか、良い内容のものを制作する為にも必要な作業だ。しかし字幕をつけたおかげで、プロフェッショナルな仕上がりになった。Rさん、Sさん、Tさん、ありがとう。

その後、夜から中野のイベントスペースPlanBにてセイラのHomeSICKを設置。前回セイラと一緒に来た際にはコンパスを持っておらず、設置ができなかったのだ。しかしやっと、ここでインストールが完了した。とりあえず、よかった。

その後、橋本の家に帰るも、バスがないので、タクシーで帰る。これは非常に高くつくのでやめたいのだが、どう頑張っても12時前につかないのだから仕方ない。その後、夜遅くまでまた作業に入る。次の日もひたすら翻訳とweb制作、文書制作、画像処理を行なう。やっと1日だけでも一人にならたのだから、ゆっくりしたいと思いつつも、願い叶わず。睡眠だけはとりたいのだが、それさえも難しい。キュレーターは残酷な仕事だと思う。

あくる日、六本木にて友人のオープニングに立会い、その後、新幹線で京都へ。日曜日の夜に、京都でアーティスト活動をする人たちがセイラを囲む会を企画してくれたのだ。みんな郷土料理を持ち寄って、皆さんのビデオ作品を見せあいっこしながら、ビール片手に芸術談義に花が咲く。セイラも楽しそうで、京都での良い思いでとなった。セイラも作品が出来上がったので、大きなプレッシャーから快方された思いだろう。

明日にはもう展示会場である北九州に発つので、今日は展示に必要なDVDを焼いたり、事務的な作業にいそしむ。そんな矢先、滞在先にてイーサネットが使えなくなり、復旧に手間取ったりする。セイラは最後に、京都でのおみやげに、と伝統工芸のはんこを買いにでかけた。セイラはやっと日本の人たちがどういった人たちなのかよく分かってきたみたいで、コミュニケーションを楽しんでいる様に思えるようになった。とても良いことだ。私としても非常に嬉しい。

陵賀から詩が送られて来た

2005-06-11 12:44:13 | Weblog
陵賀ファンの皆様へ。陵賀から詩が送られてきました。読んでみて下さい。
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ここで少し長めのポエムを一つ。

           “僕の道”





僕よ、これで良かったんだろ? そもそも始めから、他に何も選べなかったんじゃないか?

僕よ、これで良かったんだろ? ここまでやんないと気が済まなかったんだろ? 

こうゆう風にしか生きられなかったんだろ?



振り返って見たら、なんと自分は無駄だらけで、要領が悪いんだと、頭を何度も壁に叩きつけたくなるけど、、。 仕方がなかったんじゃないか?

 

確かに、焦りすぎて逆に時間を無駄にしたのかもしれない。



じっくりと考えたら、誰も傷つけないようにだって出来ただろう。

 

でも、あの時、あの時に動かないと駄目だったんだ。 

 

あの時、あの時に持ってる物でなんとかする他なかったんだ。



それでも何かをやってみせたんだ。 そうゆう風にしか出来なかったんだ。



人生はパンクだ。 衝動がすべてだ。 

それさえあれば、技術や、賢いやり方や、正しい道筋は、後からいくらでもついてくる。



人に迷惑をたくさんかけたし、嘘もついた、そのおかげで行けるはずだった道にも行けなくなったけど。

 それでも僕は何かを選んでみせた。 自分で選んでやったんだ。

独断と偏見のたっぷり混じった選択だ、人に相談したら、まず了解されない選択だ。 僕はそれを実行してみせたんだ。



どんな道を選んだとしても、孤独や悩みは必ず付きまとう。

でも僕は覚悟を持ってこの道に足を踏み入れる事が出来た。 

僕が自分でこの道を選んだんだ。 ここにあるすべての風景は、僕だけしか知らない風景だ。 僕にしか作れなかった風景だ。 僕があの時動かなければ、何一つ生まれなかった風景だ。



これは、僕の人生だ。これは僕の人生だ。これは僕の人生だ。 これは僕の人生なんだ。

悲しみよ、来るなら来い。欲しいものがあればなんでも持っていくが良い。

これから先、お前が僕の何を奪ったとしても、自分の道の上に立っている限り、僕は幸福であり続ける。 



自分だけの選択をした瞬間から、僕の道には命が芽生え。血が通い始めた。

 まだ、生まれたばかりの赤ん坊だけど、オマエがなにかをする度に、僕の道は成長し続ける。 

いつか、うんと大きくなって、オマエをまるごと飲み込んでしまうだろう。

そう、いつか、うんと大きくなって、オマエをまるごと飲み込んでしまうだろう。

オマエは朝飯前ではなく、オマエが朝飯そのものなのだ。

 オマエを食べ終わった時に初めて、僕の本当の一日は始まるのだ。



その頃にはきっと、真上に昇った太陽が、周りの朝霧を見えなくさせてくれるだろう。

 

   そしたら僕は、子供をぶたないお父さんになれる。



 







、、、 以上です.それでは皆様、思い思いの週末をお過ごしください。

                         リョウガでした。


立命館でのレクチャーと写真撮影

2005-06-07 16:36:52 | Weblog
昨日は立命館大学アート・リサーチ・センターにて、セイラと私による合同レクチャーを行った。例によって、多忙きわまり、さらにはインターネット接続環境の不備もあり、レクチャーのアナウンスをするのが遅れてしまい、大学の方には迷惑をかけてしまう事となった。

レクチャーの前には、大学にある平和ミュージアムを訪れ、第二次大戦中の様子などをセイラに見てもらう。憲法9条の話はセイラとも何度かしているのだが、その点において彼女は非常に興味をもっていた。しかし、このミュージアムにて展示されているユーゴ紛争に関する記述に関しては、あまりにも大雑把だ、と切り捨てていたが、やはりセイラという当事者という視点からすると、厳しい部分があっても仕方がない。

レクチャーはセイラが自身の作品について1時間、私がアートと国民国家に関して1時間、質疑応答が1時間というものだったが、ちょっと時間配分を間違えてしまった点もあり質疑応答の時間が充分取れなかったのだが、東京芸大や精華大学と比較した際、立命館では鋭い質問は飛んでこなかった。これは主催者側の立場にいる私にとってはラッキーとも言えるが、イベントとしては少し残念ではあった。しかし、このイベントでは私もコメントができた為、久しぶりにスカっとした。

その後、お世話になった教授の方や学生の方と居酒屋にて議論する。やはりここでも、歴史的前提の違いが大きな問題となり、なかなか会話が上手く進まない。結局、オーストリアからの留学生と、セイラ、そして私が比較的多くしゃべり、かつ私が通訳を務めるという不思議な会話が進行する。でも、最後には話が盛り上がってきたので、よかった。

セイラを家に送ったら、もう午後11時。そこから、今日行った写真撮影に関する打ち合わせ。簡単な小道具を作り、そして撮影に関する最終確認を行う。私は1時近くになってから、今夜は立命館が用意してくれたホテルに移動。膨大なメールを処理し、就寝時刻は3時くらい。しかし、仕事のしすぎの為か、寝付けず。特に同時通訳をした日の夜は、眠りに落ちる直前に一日の反復をしてしまうのだが、そこで私の頭がどうやら混乱しているらしく、なかなか寝付けない。

もうろうとした意識のまま、早朝に起床し、ボランティアさんと七条新町にて合流、撮影の手はずを整え、セイラを迎えに行く。朝9時より写真スタジオ「古代友禅園」様にて撮影を開始する。ここの方々は、大変丁寧で、かつプロ意識をもって撮影して頂き、我々一同は大変助かりました。いろいろと演出に関してわがままを言わして頂きましたが、素晴らしい写真を撮って頂き、ありがとうございました。