穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

創元SF文庫「宇宙消失」グレッグ・イーガン(2)

2021-11-12 13:08:16 | 書評

 「宇宙消失」(2) 

文章(表現力)、構成はよくない。もっとも翻訳で読んでいるから原文がどうなのかは意見を差し控える。
まえにも書いたが創元文庫で見つける前に原文(英文)を入手して最初のほうをちらっと見たが、やけに気取った(凝った)書き方だなと思った。それもしっくりと落ち着かない、似合わない浮き上がった気取りかただ。ディレッタントを装ったふうでもある。

創元文庫は徹底してハードボイルド風だ。例えば主人公記述者は「おれ」だがどうも違和感がある。もっとも日本語は俺、僕、私、アタイ,小生といろいろあるから訳語を何にするかによって全体の印象がガラッと変わる。英語なら「 I 」だけだけどね。日本語だと「俺」と「おれ」ではまた印象が変わってくる。

一つのやり方としては主人公の記述には主語を書かない手がある。読むほうは主語がないことで主役の言葉だとか、主役のモノローグだとか自然に分かる。この小説の場合は「おれ」で押し通すよりもこのほうがいいと思う。

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創元SF文庫「宇宙消失」グレッグ・イーガン(1)

2021-11-12 13:08:16 | 書評

 まず、最初に判断しなければいけないのは、著者が芸のない並みのSF作家か、能力のあるSF作家であるかであるが、それはしばらくおく。まだ少ししか読んでいないし、大部分は理解していないからである。

  それなら放り投げてしまえば一番穏やかなのだが、大枚千円が惜しくてそうも出来ない。前にも書いたがやたらにSFお決まりのおもちゃが次から次へと出てくる。二回目に出てくると何だったか分からない。最初に出てきた時にもはっきりしなかったのだから余計だ。索引を作ってもらいたい。

 ま、最初のご挨拶はこのくらいにしておこう。請うご期待。

 

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