穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

東大医学部小児科*0年史

2023-05-31 07:43:47 | 無題

かって父の遺品のなかで見つけて読んだ記憶である。人名その他は記憶で書いているので思い出せない。昭和天皇が幼年時代ジフテリアに罹病した時の経緯である。

まずジフテリアについてすこし触れなければないらない。現在は天然痘と同様絶滅宣言が出されているようだ。非常に危険な感染症で現在はシベリアの奥地で一部残っているという。

当時の主治医はドイツ帰りで開発されたばかりの血清を幼児の昭和天皇に注射しようとした。主治医の名前は忘却した。側近達が猛烈に反対した。玉体に牛の血を注入するのは何事だ、というわけである。

主治医は懐に短刀を呑んで失敗したら自殺するつもりで注射を強行したという。結果は歴史がしめすとおり、大成功であった。

なぜこの記事が今でも記憶に残っているかと言うと私も幼稚園時代ジフテリアにかかって東大病院に一週間か二週間入院した経験があるからである。

 

 

 

 


歌舞伎のファン

2023-05-28 04:35:31 | 歌舞伎

市川猿之助事件の報道も落ち着いたようだが、かって歌舞伎のファンとはどういう人種なのだろうかと不審に思ったことがある。大体芸能界にはもともと疎いが大体どういうファン層がいるかと言うのは常識で分かる。そしてピント外れのこともない。

あるとき歌舞伎座の近くのレストランで歌舞伎役者の月旦をしている普通の家庭の老婆(60歳前後)がいた。なかなか通を自任している口ぶりだった。チョット違和感があったので聞き耳をたてたので彼女たちは話を中断してしまった。そういうことが二、三回あった。

するっていうと、彼女の自信のある口ぶりからああいう人たちが現代の歌舞伎の通でありファンのコアなのだろう。昔風の私にはアンマッチで意外だった。現代の歌舞伎はああいうおばさんがコアの支持者なのだろう。それ自体、どうでもいいことだが、それに市川猿之助のファンではなかったかもしれないが、歌舞伎界は彼女たちの支持を期待し、組織化、集客努力をしているのか。そうすると、歌舞伎界の先は長くないような気がした。

 

 

 


プルーストをよむ

2023-05-27 20:46:45 | 書評

一年以上前に買ったプルーストの失われた時を求めて、を10ページほど読んだ。「幼児の記憶は失われていない」というらしいが、ベルクソンの記憶論と似ている。早速インターネットで調べたが参考になるような記事はなかった。プルーストは従妹がベルクソンと結婚した時に介添え役を務めたらしい。ほぼ同時代人だし、お互いに面識があったらしい。それに思想の特異な類似性からしてもう少し、骨のある書評などがインターネットにあると思ったが肩すかしをくった。