金曜日に皮膚科の先生から、内科に糖尿病で通院している77歳男性が類天疱瘡で入院になると言われた。DPP4阻害薬(ジャヌビア)の副作用が疑われるという。そういえば、前回内科再来を受診した時に、皮疹で皮膚科も受診すると言っていた。
2016年11月に厚生労働省から、重大な副作用として添付文書に記載するよう指示されていた。その時に入っていたDPP4阻害薬は、ネシーネ・トレゼンタ・テネリアだが、ジャヌビアによる類天疱瘡の症例報告も出ていた。要するに、DPP4阻害薬全体に、副作用として類天疱瘡があるということのようだ。
入院して、皮疹の経過と血糖の経過をみるので、糖尿病に関してよろしくということだった。現在の治療は、ジャヌビア50mg+メトグルコ500mg/日+トレシーバ1日1回だった。HbA1cは70%台だが、以前の7.3%程度に比べると、直近のHbA1cは7.9%と上昇していた。ジャヌビアをやめて、血糖が上がるので、別の治療を追加することになる。
この方は元々精神遅滞があり、同居の弟さん(独身)と嫁ぎ先から来る妹さんの介護を受けていた。糖尿病は12年前から通院している。そのうち弟さんが定年で仕事をやめて、毎日家にいるようになった。しだいに介護疲れを訴える様になり、やっと施設入所が決まって喜んでいたのだった。
それまでも簡易的な混合型インスリン朝夕(昼間はできないから)にしていた。施設入所にあたり、看護師さんが常にいない施設なので、もっと簡単にと言われて、DPP4阻害薬+持効型のBOT(basal supported oral therapy)に変更した。施設でインスリン強化療法にはできないので工夫が必要だが、何を使うか。やせ形でSGLT2阻害薬は好ましくない。グリニド薬(グルファスト)かSU薬ごく少量(グリミクロンHA20mgを半錠)だろう。