水曜日の当直の時、午後6時過ぎに心窩部痛の79歳女性が救急外来を受診した。ふだんは消化器科に原発性胆汁性胆管炎(PBC)で通院している。処方はウルソとフィブラート製剤が出ている。
その日の午後から心窩部痛があり、続いているというが、実際は間欠痛らしい。受診した時は、ほとんど治まっていた。発熱はなく、心窩部に軽度の圧痛があるようなないようなという程度だった。ご本人が(結果的に)受診しなくてもよかった、と言っていた。
3年以上上部消化管内視鏡検査はしていなかった。胃酸の薬(速効性のあるタケキャブにした)を数日処方した。内視鏡検査は次週しか空いていない。予約をとって、症状が続く時はその前に受診して消化器科で相談してもらうことにした。
翌日に心窩部痛が続くとまた受診してきた。消化器科で腹部エコーを行うと、胆嚢頸部に小結石を認めたが、胆嚢炎の所見はなかった。総胆管は径6mmで拡張なしとされた。
血液検査で白血球11400・CRP0.3と炎症の初期像の結果があった。肝機能障害があり(ふだんは正常域)、胆道系酵素も上昇していた(血清ビリルビンは1.4で黄疸はない)。
腹部CTでは総胆管拡張はないが、総胆管末端に結石がある。乳頭部に嵌頓しているようだ。前夜は総胆管結石が末端に嵌頓しかかっていたのだろうか。受診した時に症状が軽快していたので、簡単な処方だけにしてしまった。
総胆管結石に対する内視鏡治療の適応なので、地域の基幹病院消化器内科に紹介となった。問題なく受診できたようなので、ベットがあったのだろう。なかなかベットが空かない病院だが、その中でも消化器内科は一番ベットが空かない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます