なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急変2例

2020年01月25日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。病院に来て早々に、内科の別の先生が施設からの紹介で昨日入院にした84歳女性が心肺停止になったと病棟から連絡が来た。

 経口摂取ができず、経管栄養になっていて、最近頻繁に誤嚥性肺炎で入院を繰り返していた。息子さんが熱心で病状悪化時にDNARではないので、病棟の看護師さんが心肺蘇生術を開始していた。

 アンビューバックから気管挿管による人工呼吸に切り替えた。腰痛の看護師さんが心臓マッサージ(胸骨圧迫)をしていた。アドレナリンを入れて、数十秒自己心拍が出たが、その後は静止になった。

 家族が来たので、いったん病室に入れて説明した後に、心肺蘇生を継続した。30分経過して反応が見られず、また病室に招き入れて、蘇生術を中止せざるを得ないとお話した。アドレナリンの効果かPEAが出るので、少し待って完全に心静止になってから死亡確認をした。

 こちらで全部やっておくつもりだったが、病棟から連絡が行ったので、担当医が病院に駆けつけてきた。この週末は当番がないので休めるはずだったが。

 

 内科の若い先生が月曜に入院にした88歳女性が、意識レベル低下と左半身完全麻痺を来していた。心房細動があり、抗凝固薬を内服していた。入院時には、頭部MRI・MRAで右中大脳動脈が閉塞していて、その領域にラクナ梗塞が散在していた。

 若い先生は今日同僚の結婚式に出席していた。病棟から連絡が行ったが、すぐは出られなかったようで、その後に電話が来た。抗凝固薬投与による出血を気にしていた。頭部CT検査を依頼された。

 入院後は普通に食摂取できて、歩行もできていたようだ。診察すると、問いかけには返答できている。頭部CTで出血はなかったが、右中大脳動脈領域に梗塞巣がすでに描出され始めていた。

 頭部MRI・MRAで確認すると、右中大脳動脈領域全体ではないが、脳梗塞が確定できた。そして予想外だったが、右内頚動脈が描出されていなかった。

 夜間の発症で、発症時間は特定できない。特別な治療の適応もないので、点滴で経過をみることにした。月曜日に頭部CTが予定されていたが、おそらく梗塞巣は拡大するだろう。

 

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