なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸管嚢胞状(様)気腫症その後

2015年12月29日 | Weblog

 昨日の午後に74歳男性が倦怠感・食欲不振で救急搬入された。消化器科の若い先生が外来でタケキャブを処方していた。タケキャブはまだ14日処方なので、2週間おきに取りにきている。食道狭窄で内視鏡的バルーン拡張術を施行した既往がある。鉄欠乏性貧血もあった。搬入後に検査したが、貧血の程度も同程度でこれといった問題はない。

 この患者さんは有名人だった。どう有名かというと、自宅がいわゆるゴミ屋敷で、市の方でそのゴミを撤去したという。3か月前に入院していたが(食べられなくなる)、その後に入浴していないようだった。昔さんまさんの番組に出たホームレスの男性によく似ている。市の職員がいっしょに来ていて、どうも救急要請はそちらでしたようだ。最近は食事もあまりとっていないので衰弱しているという話だったが、ご本人に食べ物が目の前にあれば食べられるか訊くと、食べられるという。買い物に行く気力体力がないようだ。生活保護の方かと思ったが、そうではなかった。市役所でかかわっていたが、年末でもあり、ここは病院に入れてしまおうということのようだ。帰すに帰せないので入院とした。消化器病棟に上がると、病棟では慣れたもので、さっそくベットに横になる前にシャワーに連れて行った。

 1月初めに消化器科の外来予約があるので、それまで入院の予定だが、以前に気に入らないことがあると自分で退院していた。病棟看護師長に、退院を希望した時は退院してよい旨をカルテに記載しておいてほしいと言われた。ところで、さんまさんの番組に出ていた男性は今どうしているのだろう。

 消化器科に入院していた腸管嚢胞状(様)気腫症の79歳男性は、高圧酸素療法と便秘の治療をして軽快した。腹部CTで比べてみると、きれいに治っていた。(左が治療前、右が治療後。経過は10日間。)

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