2月25日(日)は日直だった。午後3時過ぎに回転性めまいの78歳女性が救急外来を受診した。救急搬入ではなく、家族が車で送ってきたので、治まってはきているのだろう。
病院に来てからは、目を閉じて車椅子に座っていた。嘔気を訴えていたので、ストレッチャーに横になってもらって、点滴(と採血)を入れて、プリンペランとメイロン(=おまじない)を静注した。
少し落ち着いたところで頭部CTを行った。出血はなく、明らかな梗塞巣も指摘できないが、小脳脳幹部はわからない。
その日の午前2時ごろに発症していた。トイレに行こうと起き上がった時かと思ったが、そうではなかった。寝ていて寝返りを打った時に発症していた。ぐるぐる回る回転性めまいだった。体動時に発症しては治まっての繰り返しだった。
意識清明で会話は普通にできる。頭痛はなく、耳鳴・難聴もない。麻痺や運動失調はなかった。
これまで何度か短い時間同様の症状が出たことがあり、様子をみて治っていたそうだ。回転性の要素は軽減したらしいが、浮遊感が続き、嘔気も続くので受診していた。
良性発作性頭位めまい(BPPV)でいいようだ。検査が終了してから1回嘔吐したこともあり、入院で経過をみることにした。院内のコロナ発生で入院はダメといわれていたが、地域包括ケア病棟に、認知症がないこと治療は点滴だけであることを伝えて、頼み込んで入院にさせてもらった。
翌日病棟に行くと、すっかり症状は消失してすぐにも退院したいと希望された。症状継続時の耳鼻咽喉科外来受診と頭部MRIはしないことになった。
昼食を問題なく摂取できるのを確認して午後から退院となった。夫が血液透析で当院に通院していて、その対応がストレスでといっていた。本人の解釈では、今回のめまいもストレスからきたという。耳石の問題で違うけど。
BPPVの発症誘因は、起床時・寝返りをうつ・上を向く等があるが、圧倒的に起床時(または夜間トイレに起きる)が多い。美容院で洗髪のために頭部を後屈した時に発症して、そのまま美容院から救急搬入というのもあった。
夜間睡眠中に寝返りを打ったときにBPPVが発症すると、すぐ自覚できるのかという気はするが、すぐわかって覚醒するのだろう。
3連休中に急性期病棟の入院患者8名がコロナ(COVID-19)に罹患して、スタッフ(看護師1名と看護助手2名)も罹患した。週明けの月曜日には新たに看護師2名がコロナと判明した。
救急の受け入れが当分厳しい状況が続く。整形外科の手術は今週の予定分だけは、そのまま行うことになった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます