小児科医が診た14歳女子中学生。8月末に膝の蜂窩織炎で他院で治療(経口抗菌薬)を受けいていた。9月中旬から倦怠感と頭痛を訴えている。
活発な子が極度の倦怠感を呈していて、寝てばかりいるそうだ。頭痛もひどいという。近医から当院小児科に紹介されてきた。
母親の話では、兄には脳脊髄液減少症と診断された既往があり、その時の症状と似ているということだった。兄はその後、脳脊髄液の漏出は治まったと判断されて、症状は軽快している。
頭部MRIが行われた(単純なので脳脊髄液減少症の診断はできないが)。FLAIRで(T2調教画像でも)両側前頭葉の皮質下白質に高信号が散在していた。
放射線科の読影レポートでは、「所見の記載と、異常所見はあるが原因は不明」とある。小児科医は13年前に診た9歳女児の急性散在性脳脊髄炎(acute desseminated emcephalomyetitis:ADEM)を想起したそうだ。
発熱や意識障害はないのでADEMらしくはないが、ADEMまたは多発性硬化症(MS)疑いとして、大学病院の神経内科に紹介していた。
県内では、全国と同じく新型コロナの発生が減少している。それに伴って濃厚接触者のPCR検査数も減少している。地域の基幹病院と交互に(1日おきに)保健所のPCR検査をするようになったが(発生数が多い時は毎日両院でしていた)、検査数が少なくて助かっている。
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