12月2日に記載した肺癌の患者さんのその後。
11月30日の夕方に救急搬入されて、救急当番の外科医(大学病院からバイト)からその日当直の先生へということで申し送られた。
右肺癌・両側肺内転移・癌性胸膜炎・多発性肝転移(一塊)があり、CEAとCA19-9 が著増していたことから、肺腺癌の進行癌(末期)と診断された。(放射線科の読影では両側副腎転移・骨転移も)
家族に診断と予後不良(治療困難)と説明して、本人には(気が小さいのでショックを受けるとして)伝えないでほしいと言われた。
入院して緩和ケア(酸素吸入・点滴・呼吸困難には医療用麻薬も)かと思ったが、どうしても入院はしないという。病院スタッフと家族が何度言っても拒否は変わらなかった。
入院しても治るわけでもないので、強くは言えなかった。その日は帰宅して(自宅は隣町)、翌日も点滴に来たが、やはり入院は拒否だった。
水曜日に初診で、木曜日、土曜日と点滴をして帰っていた。今週の月曜に点滴に来た際に、息切れが悪化していて入院を勧めたが、拒否だった。妻も、本人が納得しないのでと、あきらめたようだった。急変しても慌てないように、と家族に言って帰すしかなかった。
火曜日は内科の別の先生が当直だったが、午後8時前にその患者さんが自宅で心肺停止となって救急要請された。家族は救急隊にDNARになっていることは伝えたらしいが、形は心肺蘇生をしての搬入だった。
救急室での死亡確認となった。来院時心肺停止なので、Autopsy imagingが行われた。両側胸水は初診時より増加していたが、気管支に痰が貯留していて、それも悪化の原因になったか。
希望通りの最期で、入院するよりもよかったのかもしれない。初診からちょうど1週間だった。入院拒否というより、自宅(療養)希望ととらえた方がいいのだろう。
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