月曜に1週間前から食欲不振が続く85歳女性が救急搬入された。先週もゆるやかな熱中症のような80歳代の患者さん3名が、食欲不振で入院していた。
救急担当だった内科の若い先生から連絡が来て、また同じような患者さんかと思ったが、違っていた。胸部CTで肺に空洞を伴う病変があるという。半年前から?咳・痰・微熱が続いているそうだ。当院内科外来に通院して、ふだんは内科の別の先生が診ているが、前回受診時にその話は出ていなかった。
画像を確認すると、左肺尖部に空洞2個をもつ陰影がある。また右肺背側にも空洞性病変があり、胸膜から脊椎まで及んでいるように見える。画像からは結核疑いだった。2月に急性腎盂腎炎で入院していて、その時の胸部CTに今回の陰影はない。
炎症反応は白血球は正常域で、CRPも0.4程度だった。炎症反応の乏しさが逆に結核を疑わせる。
個室入院にして、N95マスク対応になる。ちょうど地域の基幹病院から呼吸器外来に来ていた先生に相談して、抗酸菌の検査を開始した。今日の喀痰検査では抗酸菌塗抹陰性だった。細菌検査室に訊くと、ほとんど唾液で膿性成分はわずかだったそうだ。
若い先生にどうしましょうかと訊かれたが、とにかく3連痰で繰り返すしかない。明日は有効な喀痰が取れない時は、胃液を出すことにした。
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