なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

先生、いい痰でした

2019年08月11日 | Weblog

 月曜日に提出した自分の喀痰培養で、インフルエンザ桿菌が検出された。細菌検査担当の検査技師さんから、「先生、いい痰でした」と言われた。Geckler 5で良質な痰だったそうだ。

 感受性検査では、ABPC/CVAやABPC/SBTがRでBLNAR(β-lactamase negative ampicillin resistant)だった。セフトリアキソン(CTRX)やレボフロキサシン(LVFX)はSだった。

 オグサワ(AMPC/CVA+AMPC)を使用しないでよかった。レボフロキサシン内服は正解だったことになる。内服後は解熱して、黄色痰は続いていたが、3~4日後にはごく薄い黄色になり、今日は白色透明な痰になった。7日間の内服で飲みきり中止にした。

 インフルエンザ桿菌は気道定着菌だが、これは軽度の肺炎だったということでいいのか。症状が非特異的上気道炎的でもあったが、胸(肺)の奥から黄色の喀痰が結構出ていたので、風邪(ウイルス感染)+気道定着菌のインフルエンザ菌ではなくて、気管支肺炎でいいと思う。胸部CTで確認しておいた方が良かったかもしれない。

 検査技師さんには、朝の起きがけはもっといい痰(汚い痰)が出るんだ、と自慢げに言っておいた。

 

 昨日の土曜日は内科の日直だった。金曜日の当直は内科の若い先生で、午前8時過ぎに救急搬入された81歳男性を熱中症として入院させていた。

 その後、その男性が入院した病棟から、82歳の妻もふらつき・嘔気を訴えていると連絡があった。当初受診をいやがったらしく、しばらくたってから救急外来を受診した。同じ状況なので軽度の熱中症の症状らしい(検査ではCKの軽度上昇のみ)。夫婦二人暮らしなので、夫と一緒に入院を勧めた。家を空けられないなどと嫌がっていたが、親族に説得された入院になった。

 そのほかは、施設のデイサービスに行って、咳・痰と発熱を指摘された81歳男性が受診した。胸部X線・CTで両側下肺野背側に陰影を認めて、誤嚥性肺炎として入院した。

 67歳女性が、ふらつき・頭重感・嘔気で救急搬入された。血圧が217/105mmHgと高値だった。検査の結果は血圧以外に異常がなかった。なぜか、内科医院から低血圧としてリズミック(のジェネリック)が処方されていた。

 ここ1か月の間に、住んでいる町の病院や、当地域の基幹病院にも今回と同様の症状で救急搬入されていた。経過をみても血圧が170程度までしか下がらず、降圧薬(ペルジピン)を1回だけ使用した。

 一人暮らしなので、入院で経過をみることにした。リズミックは不要だろう。週明けまで入院として、退院する時は内科医院に中止を勧める診療情報提供書を出すことにする。

 

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