なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

不明熱

2020年11月01日 | Weblog

 水曜日に内科新患を診ていた内科の若い先生から、発熱が続く52歳女性のことで相談された。

 8日前に38℃の発熱があり、当初は熱以外の症状はなかった。内科医院を受診すると、コロナでもないでしょうと言われて、風邪薬を処方された。3日後のなっても発熱が続いて、内科医院から当院に紹介された。

 発熱外来の扱いになった(当番は外科医だった)。当院のインフルエンザ迅速試験・新型コロナウイルス抗原(定量)検査がまず行われて、いずれも陰性だった。

 血液検査では白血球1000o・CRP1.8と炎症反応上昇があり、肝機能障害もあった(AST 45・ALT 51・LDH 822・ALP 110・γ-GTP 50)。胸腹部CTで肝胆道系を含めて異常はなかった(軽度脾腫ありか)。

 患者さんは入院を希望しなかった(むしろ嫌がった)。何かのウイルス感染か、ということでアセトアミノフェンで経過をみることになった。

 再受診のその日も発熱外来の扱いになったが、担当だった外科医が伝染性単核球症疑いとして、内科新患に回してきた。

 白血球11700・CRP2.1で若干増加している。肝機能検査は、AST 34・ALT 60・LDH 751・ALP 153・γ-GTP 113と、改善とも悪化ともいえない値だった。白血球分画で単球が20.5%と上昇しているのが特徴だった。

 その日は体温37.4℃で、39℃あった3~4日前よりはいいという。経過中に多発性関節痛があったが、軽快しているそうだ。本人の感じ方としては、ピークは過ぎた気がするという。 

 いっしょに診察したが、やはり入院する気はなく、アセトアミノフェンで短期間経過観察とした。単球増加からは感染症としては結核、感染性心内膜炎が疑われて(肺結核の所見はない)、血液疾患としては骨髄単球性白血病疑いになる。次回の血液検査で単球の比率がさらに上昇するだろうか。

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