なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

頸部リンパ節腫脹

2016年08月19日 | Weblog

 30歳代前半の男性が7月下旬に微熱・倦怠感・体重減少(6Kg)で内科新患を受診した。担当の若い先生(大学病院から)が診察した。血液検査は白血球数・CRPが正常域で他の項目もこれといった異常はなかった。頸部リンパ節が腫れているようだということで、8月初めに頸部~腹部の造影CTが施行された。左右の頸部リンパ節腫脹が指摘された。個々のリンパ節が癒合してはいない。経過をみていたが、症状が続いた。

 耳鼻咽喉科外来でリンパ節の細胞診が出されたが、特に所見はなかった。リンパ節の場合、細胞診での診断はきびしい。丸ごと生検だろう。耳鼻咽喉科を受診した際に、症状が続いているのにいらだってもめたので、内科外来に回されて診察することになった。

 7月からの症状は同程度で、悪化はしていないが、改善もしていない。血液検査を再検したが、やはり炎症反応としては陰性になる。初診時に出された可溶性IL2レセプターは600台で炎症を反映するだけだった。悪性リンパ腫の疑いと言われていたのを気にしていたようだ。咽頭発赤が目立ったが(その後軽快)、咽頭痛はなかった。生検はこちらも患者さんも迷った。体重減少は止まって、2Kg戻ってきたというので、少し経過をみていた。

 今日受診したが、やはり症状が続いて、リンパ節生検に同意した。EBV・CMVは既感染で、HIVは陰性だった。頸部エコーで左右のリンパ節はやはり多数腫脹していた。大きさは最大で25mm×7mmと扁平だった。しつこく採血したが、炎症反応は血沈も含めて正常域というか、まるきり陰性だった。外科に紹介して、来週リンパ節生検をすることになった。

 悪性リンパ腫?、結核性リンパ節炎?、壊死性リンパ節炎?、あとは何だろうか。リウマチ膠原病を疑う症状所見はないと思うが。

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