なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

菌血症のはず

2019年10月26日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。82歳男性が38.9℃の発熱と悪寒戦慄(歯ががちがちと鳴った)で受診した。菌血症の症状と判断される。

 認知症はなく、話ぶりはしっかりしている。ふだんは高血圧症でクリニックに通院している。血圧は110台で頻脈はなく、敗血症性ショックではない。

 胸部X線・胸腹部CTで、肺炎像はなかった。両側腎の周囲がケバ立っているように見えるがこれは有意な所見とはされてない。水腎症・尿管拡張はなく、少なくとも尿路閉塞はない。

 3年前に当院の泌尿器科からの紹介されて、専門的治療ができる病院で膀胱癌の治療を受けていた。内視鏡的治療だったようだ。今回膀胱に残尿があり(排尿直後でも貯留あり、膀胱壁の一部が不整肥厚しているように見える。膀胱癌の再発が疑われる。

 尿路感染症と思われたが、肝心の尿所見は感染症とはいえないものだった。前立腺炎も考えたがPSAは正常域だった。白血球6800(ふだんは3000台なので増加あり)・CRP1.1と感染症の初期像相当だった。肝機能は正常で画像上も胆道感染は否定的だ。心雑音や敗血症性血栓はない。

 どこの細菌感染かはっきりしない。血液培養2セットと尿培養を提出して、入院で抗菌薬を開始して経過をみることにした。

 付き添ってきていたのが息子夫婦かと思ったが、まったくの他人だった。何でもDVを受けた人とか、訳ありの人たちと共同生活をしている人たちだという。奥さんはいっしょに来ていなかった。子供はいないそうだ。

 

 今年は学会出張にあまり行っていない。感染症の学会が近場の開催だったので、(個人の)出張費に余裕がある。以前から一度行きたかったリウマチの学会とアレルギーの学会(講習会)に行ってみようと思う。

 

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