先週の木曜日に施設から発熱・呼吸苦?の86歳女性が紹介されてきた。内科の若い先生が診察して、左肺の軽度胸水貯留・浸潤影を認めた。誤嚥性肺炎として治療することにした。
単純CTで膵臓背側の後腹膜腔に腫瘤も認めていたので、今週改めて造影CTを行った。膵背側~大動脈周囲~脾臓内~左腎臓上極に広がる腫瘤で、放射線科の読影は悪性リンパ腫疑いだった。これ以上の検査も難しいし、診断としてはいいと思う。
腫瘍マーカーはCEA、CA19-9、DUPANⅡは正常域で、可溶性IL2受容体抗体は1970と上昇していた。肝機能ではLDHだけが450と上昇している。
家族に話をすると、身体に負担のかかることはしないでほしい、当院入院で経過をみてほしいと希望した。病状悪化時(正確には心肺停止時)はDNARの方針となった。
精査・癌治療の適応はないと思われた。家族が専門医の意見を聞きたいと希望すれば、紹介状と画像(CD)を持たせて、家族だけがんセンターの外来を受診してもらうのもある、と伝えていた。当院でいいということなので、そのまま入院継続になる。
幸い疼痛はないが、食事摂取は進まなかった。予後が短ければステロイド(デカドロン)の投与だが、糖尿病もあり、使いがたい。血糖を見ながら少量使用できる可能性があり、検討してもらうことにした。
インスリンを使用すればステロイド使用可能だが、頻回の血糖測定(痛い)・インスリン注を要するので、緩和ケアにそぐわなくなる。
若い先生は緩和ケアの本を持っていないそうなので、まずは一冊購入してもらう。当院内科の緩和ケアは大津秀一先生流。
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