なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多臓器不全

2015年05月19日 | Weblog

 今日は高校で看護科専攻科の講義があった。血液疾患の講義で、いつものように看護師国家試験問題が解けるくらいの内容をまとめたプリントをくばった。2回分の講義でプリント8枚にまとめていて、試験に直接出る部分を集めれば3-4枚分になる。我ながらつまらない講義だとは思っているが、このやり方で考査試験は全員合格(満点も多い)になるので、勘弁してもらおう。

 83歳男性が地元の診療所から敗血症性ショック疑いで救急搬入された。看護科の講義が終わって病院に戻ってくると、救急当番の外科医から呼ばれた。肺炎と尿路感染症があり、発熱・血圧低下があった。点滴が開始されたためか、診療所で血圧70ということだったが、90~100にはなっていた。Dダイマーが500を越えていた、肝機能が重症肝炎ほどになって、腎不全も加わっていた。感染症からの敗血症性ショック・多臓器不全と診断された。数日前から倦怠感。食欲不振があったが、昨日まで農作業をしていたという。今日は動けなくなっていた。コンピュータの画面でひどい検査結果を見て、どんな患者さんだろうと直接救急室まで見に来た先生もいた。

 ふだん外来は当院の神経内科に通院していてアリセプトが処方されている。あとは降圧薬とバイアスピリン(ラクナ梗塞)が処方されていた。血液培養・尿培養の提出後に抗菌薬を開始して病棟に上げた。先日病棟に上がって1時間後に亡くなった老女と同じようなデータだが、どうなるか。事故で脾臓摘出術を受けていて、家族の派内では肺炎球菌ワクチンは受けているが、そろそろ追加で注射するころだったそうだ。重症脾摘後肺炎球菌感染と思われたが、違うのも知れない(可能性は否定できないが)。

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