水曜日の昼に高熱(40℃)の86歳女性が救急搬入された。救急当番の神経内科医から連絡がきた。
1月12日から25日までやはり発熱で内科に入院していた。内科の別の先生が当直の時に、深夜に救急搬入されていた。尿所見で尿混濁はなく、肺炎らしい陰影もなかった。他に感染巣らしいところははっきりしなかった。
急性腎盂腎炎として治療してみるという記載があり、カルバペネム系で治療を開始した。入院後は、解熱軽快していた。細菌感染だったことは間違いないようだ。
退院直前に胸腹部CT(単純)を再検していて、放射線科の読影レポートは肝臓内に多発性肝嚢胞があるが、S6に肝膿瘍を疑う所見がある、とされていた。
退院して2週間経過している。担当した内科の先生は前日当直で、午後は当直明けで休みになるので、当方に治療依頼が来たのだった。
発熱以外の症状はないという。特に痛みも感じていない。診察しても心雑音はなく、心内膜炎の敗血症性血栓もない。
救急担当医が胸腹部CTをオーダーしていた。前回指摘された肝膿瘍疑いの部位は前回より目立たなくなっていた。嚢胞感染も疑われるのが、ラパ胆の既往があり、クリップがかかっている。
放射線科に技師さんに相談すると、腹部MRIはクリップがあるのでやめた方がいいという。最近のものでは撮像時間短縮でMRIが撮れる場合もあるそうだが、17年前の手術で対応していないようだ。
今回も肺炎像はなく、尿混濁もない。前回と同様だった。血液培養2セット・尿培養を提出して、抗菌薬を開始することにした。