1週間前に食欲不振で87歳男性が入院した。ふだんはCOPD(慢性肺気腫)で外来通院している。先月肺炎で入院して退院したばかりだった(担当医は他の先生)。
まったく食べられないわけではない。患者さん本人は入院希望だった。家庭で介護している奥さんも疲れて入院させてほしいというので、入院とした。
点滴500mlを1日2本入れて、半分くらいは食べていた。点滴は1日1本に減らして、そのままやめる予定だった。食事摂取量の問題というより、うつ気分が問題だった。
抗うつ薬を開始することにして、いつものジェイゾロフト25mgにした。抗うつ効果が出るまでは1~2週間かかるが、投与した翌日から表情が良くなった。もともと不眠症でレンドルミン(ブロチゾラム)を飲んでいるが、ジェイゾロフトを飲んだ日は良く眠れたという。精神安定作用はすぐに出るようだ。
25mgで2週間継続して、そのままの量で継続するか50mg/日に増量するか決めるが、そのままで行けそうだ。
DPP4阻害薬で類天疱瘡を来して皮膚科に入院していた83歳男性は、DPP4阻害薬の中止とプレドニン投与で、皮疹はかなり軽快していた。
プレドニンは漸減中止になっていたが、食欲不振が続いた。希望もあって上部消化管内視鏡検査も行ったが、有意な異常はなかった(萎縮性胃炎はある)。
この患者さんもうつ気分が続いている印象を受ける。(プレドニンの副作用もある?)皮膚科で点滴をしていたが、食欲は回復しなかった。
ジェイゾロフト25mg/日を開始して経過をみることにした。翌日病室に行くと、食事摂取量はさほど変わらないが、表情が良くなったような気がした。話しぶりも良くなった(活気が出た)気がするか、こちらの気のせい?。
抗うつ作用がすぐに出るわけではないが、やはり精神安定作用が心気症の部分には早めに効くかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます