5月13日に急性心筋梗塞として記載した88歳男性は、肺塞栓症だった。
肺炎で入院して、いったん治癒してまた肺炎になり、食欲低下が続いていた。5月11日に冷汗・血圧低下があり、心電図でそれまでになかった変化を認めた。
心電図は完全右脚ブロックの形になっていた。ST上昇様でもあり、判断が付かなかった。トロポニンIが474.7(0-26pg/ml)と上昇していた。ただし、CK 15・CK-MB 5と上昇はなかった。AST 505・ALT 460・LDH 630はうっ血肝を反映していたのだろう。
以前に地域の基幹病院循環器内科でPCIの既往がある。連絡すると、その関係もあり、引き受けてもらえた。
搬送後に、心電図はST上昇様ではあるが、新規発生の完全右脚ブロックそのものとされた。心エコーで右室拡大・左室の圧排があり、胸部造影CTを行った。両側肺動脈に血栓塞栓像を認めたそうだ。
また腹部CTで門脈系や肺静脈(?)、下大静脈にガス像もあったと記載されていた。外科コンサルトの上、腹部症状・所見がないことから経過観察になっていた。
搬送時は酸素吸入1~2L/分で酸素飽和度は保っていたが、搬送後には酸素増量を要したのかもしれない。慌てて搬送して、結果は完全に外れていたが、きちんと診断・治療できる病院に搬送したことだけはよかった。
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