6月6日に地域の基幹病院脳神経内科から回復期リハビリ病棟に転院してきた86歳女性には、別の病気もあった(奇異性脳塞栓症)。
数年前から夜間に脚がむずむずと異常な感覚があった。脚を動かすと症状が改善するのだった。これまで湿布や痛み止めを塗布して紛らわせていたそうだ。
病棟の看護師さんが症状を訊き出して、報告してきた。看護師さんがどのくらいむずむず脚症状群を認識しているのかわからない。患者さんが「むずむずする」と表現したので、そのまま伝えてきたのだった。
ビ・シフロール錠0.125mg1錠(夕食後)から開始すると、症状が軽快してほとんどなくなった。初期量から開始して、2錠までは増量して反応をみようと思っていた。
患者さんに訊くと、1錠で症状が治まっているので、増量しなくてもいいという。あえて増量する必要もないので、まだ少ない量なので症状がある時は増やすので報告してほしい、と伝えた。
ビ・シフロールは飲んでいるうちに効果が弱くなって症状がひどくなったり(オーグメンテーション)、飲むのを止めるとそれまで以上に症状がわるくなったり(リバウンド効果)することが多いそうだ。
この患者さんは自宅退院予定で、ふだんは近くの内科医院に通院している。治療を継続してもらうのに、診療情報提供書に経過を記載しておくことにした。その医院は基幹病院の近くなので、調整に困ったら脳神経内科の外来に紹介してもらうこともできそうだ。
むずむず脚症候群には、抗てんかん薬のレグナイト(ガバペンチン)やランドセン(クロナゼパム、適応外)が使える。以前はビ・シフロールを使えなかったのでランドセンを出したことがあるが、レグナイトは使用したことがない(名前が症状そのまんま)。
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