なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性腎盂腎炎・膀胱癌

2023年06月27日 | Weblog

 6月7日に89歳女性が発熱で救急搬入された。肺炎はなく、尿路感染症(急性腎盂腎炎)だった。

 右腎臓に水腎症を認め、膀胱内に不整な腫瘤を認めた。膀胱癌があり、右尿管(の入口部)が閉塞(狭窄?)しているようだ。内科の別の先生が担当して入院となった。

 

 

 抗菌薬投与で解熱したようにみえたが、また発熱があり、当初の抗菌薬を変更していた。

 搬入時の尿培養からStreptococcus agalactiae(B群溶連菌)とEnterococcus faeciumが検出された。前者は大抵の抗菌薬に感受性があり、後者はバンコマイシンに感受性がある。(血液培養2セットは陰性)

 セフトリアキソンと何故かミノマイシンで開始していた。結果的にミノマイシンはEnterococcus faeciumに感受性がある結果だが、バンコマイシンを使用したい。

 セフトリアキソンをイミペネムに変更して、解熱軽快した。(カルバペネムはメロペネムではなく、イミペネムを好む先生だった)感受性試験の結果からみると、何かどう効いたかよくわからない。

 

 膀胱癌については泌尿器科医(非常勤)に相談して、その先生が家族(妹)に説明してくれた。手術は勧めないということで同意されていた。

 ただ尿路閉塞があると尿路感染症は難治性になる。閉塞性腎盂腎炎になると腎瘻造設を要することもあるが、感染症に関しても、腎瘻造設はしない方針となった。

 

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