min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

岡崎大五著『アフリカ・アンダーグランド』

2013-08-04 15:58:14 | 「ア行」の作家
岡崎大五著『アフリカ・アンダーグランド』祥伝社文庫 2009.7.30 第一刷 各743円+tax

オススメ度 ★★☆☆☆

6、7月は例の「ハイペリオン」シリーズ4部作にどっぷりと浸かり、読了後は茫然自失状態(ちと大げさかな)で、まともな他作品を読む気にならなかった。それで古本屋から蔵前仁一の古い旅エッセイ「旅で眠りたい」を読んだり、その頃彼のバックパッカー仲間であったらしい本書の著者岡崎氏の作品を読んでいた。
料理でいえば満漢全席級のてんこ盛りフルコース料理を堪能(食べたことはないが、想像は出来る)した後にどんな料理にも食指が動かない、という状態に似ているとでも言おうか。
したがって本書のような「多分どうしょうもない本だろうなぁ」という思いで、とにかく活字を脇に置いておきたいというただただそんな理由で読んだわけ。

物語は十年近く日本を離れて気ままに世界を旅するバックパッカーの主人公が、一時パリにある日本料理屋に勤めていたところから始まる。
この店のオーナーは中国人で、中国黒社会と繋がりがあるらしい。ある日、店にオーナーに恨みを持ち、彼を探し当てたロシア人が大暴れして閉店を余儀なくされた後、主人公修司はあることをオーナーから頼まれた。
それは北アフリカに渡って中国人向けの月餅を売ることであった。もちろん月餅なんぞが真の目的ではないことは容易に想像できたのだが、サハラ砂漠を車で縦断という話しに釣られてしまった。
修司が巻き込まれた事件はなんと人身売買、紛争ダイヤの密輸、贋ユーロ札などの大事件なのであった。
ストーリーはこれ以上書く気力も涌いてこないのだが、素人に毛の生えた程度の“作家”が冒険サスペンス小説を書こうものならこの程度の代物になってしまうという好事例的作品。
ただし、長年世界中をぶらついていた作者ならではの、アフリカと中国を結ぶ“人身売買ビジネス”についてはちょっと興味深い物があった。そしてほとんどの作家が触れる事が出来ない北アフリカの裏情報的なものが垣間見られ面白かった。さて、これ以降はまともな読書生活?に戻るとしようか・・・・

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