ダン・シモンズ著『エンディミオンの覚醒上・下』ハヤカワ文庫SF 2002.11.30 第一刷
オススメ度 ★★★★★
いやはや本書の文庫版が届いて驚いた。上下巻とも700pを越える分厚さに!シリーズが進むにつれボリュームが増していくではないか!いや本の分厚さだけではない、物語の内容も広大無辺に広がってゆく。ダン・シモンズさん、一体どうやって広げた大風呂敷をたたむおつもりか!?
それは下巻で見事な大円団を迎えることによって答えを出した。ストーリー展開上多少の齟齬が生じるのはやむを得ないではないか。作者のご都合主義が鼻につくかも知れない。だが、ここまで壮大な宇宙叙事詩を表現した著者に拍手を送りたい。
このシリーズの根幹部分をなす著者の宗教観。特にキリスト教と仏教との間の宗教論議は興味深かった。著者は明らかにキリスト教の環境下で育ったことは明らかであるが、キリスト教の限界を感じつつもやはりその世界からはみ出しはしない気がする。
仏教における宇宙観はキリスト教的世界観をはるかに凌駕する。それにしても著者の東洋思想への造詣の深さには驚かされた。また、明らかに作中に日系の人物が幾人か登場するが実際の彼の周囲にもこれら人物のモデルとなった友人、知人がいるのであろう。
いつか日本を舞台にした作品も書いて欲しいものだ。
オススメ度 ★★★★★
いやはや本書の文庫版が届いて驚いた。上下巻とも700pを越える分厚さに!シリーズが進むにつれボリュームが増していくではないか!いや本の分厚さだけではない、物語の内容も広大無辺に広がってゆく。ダン・シモンズさん、一体どうやって広げた大風呂敷をたたむおつもりか!?
それは下巻で見事な大円団を迎えることによって答えを出した。ストーリー展開上多少の齟齬が生じるのはやむを得ないではないか。作者のご都合主義が鼻につくかも知れない。だが、ここまで壮大な宇宙叙事詩を表現した著者に拍手を送りたい。
このシリーズの根幹部分をなす著者の宗教観。特にキリスト教と仏教との間の宗教論議は興味深かった。著者は明らかにキリスト教の環境下で育ったことは明らかであるが、キリスト教の限界を感じつつもやはりその世界からはみ出しはしない気がする。
仏教における宇宙観はキリスト教的世界観をはるかに凌駕する。それにしても著者の東洋思想への造詣の深さには驚かされた。また、明らかに作中に日系の人物が幾人か登場するが実際の彼の周囲にもこれら人物のモデルとなった友人、知人がいるのであろう。
いつか日本を舞台にした作品も書いて欲しいものだ。
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