3連休の釜山旅行。2日目の朝は7時半に起きて、宿の裏手にあるサウナに行ってみました。天然鉱泉とのことで、入浴料は5,000ウォンと割安。アカスリは2万ウォンとややお高めで、トータルの値段は普通といったところでした。
アカスリの支払いは通常、担当のおっちゃんに鍵の番号を控えてもらい、受付で後払いすることが多いのですが、ここは前払い方式。お札を浴室に持っていくのが、ちょっと面倒でした。
蓮山(ヨンサン)周辺にはカフェの類が見当たらなかったので、昨夜以来の東莱(トンネ)に戻り朝食。モーニングセットが10時までと書いてあり、9時40分にギリギリ間に合った感じで入ってみたのですが、中には店員さんが見当たらずがら~んとした状態。
呼び出したら店員さんが出てきましたが、やはり夜がメインの街のようです。
今回の旅のメイン、カニの街・機張(キジャン)へはバスが便利ですが、都市鉄道の4号線も通じています。無人運行の新交通システムで、コースの半分以上は地上を走り車窓が楽しめるのもいいところです。
釜山金海軽電鉄と違い、釜山交通公社の直接運営なので、地下鉄の1日乗車券(4,500ウォン)が通用します。
カモメ柄の座席はブルー基調にまとめられ、爽やかなイメージ。成田エクスプレスなどでお馴染み、日本のGKデザインが手がけたものです。窓はドア間に1枚と大きくとられ、眺望の良さも魅力のひとつです。
惜しいのは機張の市街地まで通じていないことで、終点でバスに乗り継ぎ、機張市場で下車しました。いかにも韓国の在来市場といった、活気ある市場です。
港町だけあって魚介類も豊富。足の踏み場もないほどでした。
そんな機張の名物がカニ。韓国国内でも有名ですが、日本からの観光客も多く、目ざとく僕らを見つけた商人から熱いラブコールが飛び交います。
じっくり店定めして、一番カニを丁寧に扱っているように見えた「ズワイガニハウス」に入ってみました。
店頭の水槽に並んだカニを選んで、生きたまま蒸し上げてもらうスタイル。2杯で14万ウォンという値段は、激安とまでは言えないけれど、日本よりは安そうです。
さっきまで元気に動いていたカニが、あっという間に食卓へ。無心、無言でむしゃぼりつきました。うまい!
カニ味噌は、甲羅に入れてチャーハンに。贅沢なランチでした。
地元・釜山では身近なグルメレジャーとして親しまれているようで、車で乗り付ける人を多く見かけました。福岡市内から糸島へ、カキを食べに行くような感覚なのかも。
今度は市内バスで、海雲台(ヘウンデ)方面へと抜けます。鉄道の東海南部線も平行していますが、本数が少ないのでバスに頼らざるを得ません。近い将来には通勤電車を走らせる計画もあり、便利になりそうです。
その線路改良の一環でショートカットされた旧東海南部線が最近、遊歩道として活用されているとのことで、訪ねてみました。
遊歩道とはいえ、線路も砂利もそのまま残されています。歩きにくいですが、非日常の雰囲気があって楽しい体験です。
遊歩道になった区間は、韓国では数少ない、海を望む路線として知られていたところでもあります。13年前に乗ったきりの路線でしたが、最後にもう一度乗っておきたかったなとも思いました。
トンネルもあります。余計な装飾がないのがいいですね。
防犯カメラを設置したり、線路のつなぎ目を砂利で埋めたりと、遊歩道として最小限の手は加えられていますが、廃線跡ウォークの雰囲気は満喫できる遊歩道です。
散策路の途中には、署名のリボンが掲げられた広場が。廃線跡の整備に対して市民側の意見聴取を求める、市民団体側からの働きかけのようです。市民側は、現状の維持を求めているとのこと。
レールバイクもいいけれど、各地に増えすぎて物珍しくなくなってきたのも確か。「あえて」線路のままの遊歩道も、オンリーワンを目指すならあり得る選択かもしれません。
海岸を離れると山の上に、初夏に訪れた月見の丘の「カフェコンプレックス」や、高層住宅街が見えてきました。
全長約5kmの遊歩道の中間地点に当たるのが、青沙浦(チョンサポ)。海女さんの活躍する海岸で、貝焼きが名物です。あまちゃんの袖が浜海岸を思い出しますが、カフェやコンビニなんかもあってもう少し開けたイメージです。
波止場では釣りや酒盛りに興じる人も多く、釜山市民それぞれの休日を過ごしていました。
遊歩道は海岸沿いにさらに松亭(ソンジョン)まで続きますが、天気もぐずついてきたのでこの辺りで切り上げることにしました。
マウルバスが20分毎に走っていて、地下鉄の駅まで抜けることができます。
萇山(チャンサン)駅で、地下鉄2号線に乗り継ぎ。釜山の地下鉄は、1号線と3号線がやや小さめの車両を使っていますが、2号線には大柄なソウル地下鉄サイズの電車が走っています。
広安(クァンアン)駅で下車、歩いて10分のビーチリゾート・広安里へと出てきました。
目の前に砂浜と広安里大橋を臨むカフェで、ほっと一休み。オープンになったテラスはさすがに少し肌寒かったですが、ホットの飲み物で温まりました。
夕暮れ迫る広安里ビーチ。
早めの夕ご飯は、広安里ビーチを臨む刺身屋ビルディングで。1階が魚屋になっていて、2階から10階の刺身屋でさばいてもらって食べるスタイルです。
強引なおばちゃんに掴まり、適当に魚を掴まされ、選択権なく3階の刺身屋に連れ込まれるという、まあ半ば予想していた展開に(笑)。安くてうまかったから文句はありませんが、道端の「客引きの店を使わないようにしましょう」という垂れ幕の文字がまぶしかったです。
お腹いっぱいになる頃には、すっかり夜の帳が降りていました。広安里大橋も、派手やかにライトアップ。デコレーションケーキのようです。
2号線で新市街地の西面(ソミョン)へ。旧市街の南浦(ナンポ)より、整然とした印象の街並みです。
今夜は日曜日なので明日は出勤日のはずですが、夜の街は多くの人が行き交っていました。
西面の地下街を歩いていると、韓国ではあまり見かけない、普通の本屋さんスタイルの古本屋さんを発見しました。写真撮影歓迎と書かれていたので、遠慮なく1枚。
中古CDがあったのも嬉しいところ。廃盤になることが珍しくない韓国のCDで、留学時代に親しんだ曲のCDはなかなか見つからなかったのです。見つけるままに、3枚買い求めました。
締めの一杯は、ミラービールのビアホール「ミラータイム」名物のノッポジョッキで。これを求めて、3度目の東莱に来てしまいました(笑)。
おいしいビールでのどを潤せば、明日は帰国の日です。