副題に「パリがくれた幸せ」とあるけど、これが確かに飾りではなく
内容もパリが舞台で合ってるんだけど、それでも要らんと思う。
これの少し前に見た「猫ととうさん」くらい疲れない映画(褒めてる)。
(「猫と父さん」は猫を飼ってる男性たちのドキュメンタリーで
どんなに疲れている時でもリラックスして見ることができる映画でした)
サンぺの描く「プチ・ニコラ」は若い頃に読んでかわいくてかわいくて大好きだったし
文庫本で持ってたと思うけどその本の感じも覚えてる。
若い頃は外国といえばとにかくパリに憧れてたオリーブ少女だったし、
その頃のパリってグラッペリのバイオリンとサンペの洒脱な絵を思い浮かべて、
今ではちょっとノスタルジックで甘い気分になる。
そのプチ・ニコラがアニメーションで動くだけでも楽しいのに、
同時にニコラの二人の作者の背景や友情も見られて大満足。
ニコラの声も、本当にイラストの通りのかわいい声で、たまらん。
小さい子供の声の外国語にすごく弱いです(日本語も可愛いけど)。
舞台は1950〜60年代、絵を描くジャン・ジャック・サンペと文を書くルネ・ゴシニは
二人で小さなニコラの物語を作り出す。
映画では、そのニコラがアニメーションとなって楽しい日々を繰り広げる一方、
作者二人の人生の苦しかった時期を垣間見せる。
サンぺは養父母に育てられたり、義父にDVを受けたりと幸せでない子供時代を過ごすし、
ルネ・ゴシニはユダヤ人でアルゼンチンからニューヨーク、そしてパリと移り住んだけど
戦争中はナチスによる暗い思い出がある。
でも二人の作ったニコラの人生は安心と愛情と笑いに包まれた暖かい世界で
それが世界中の人々だけでなく作者二人も癒していく、というようなお話。
20世紀のヨーロッパの話は、いつもどこかに必ずナチスの暗い影が出てきますね。
とはいえ、重い映画ではないので、安心してみてください。
(去年の映画だけど感想書くの遅すぎ)
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