sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:コール・ジェーン

2024-04-10 | 映画


違法中絶の話で良い映画はいくつかあると思うけど、思い起こせば一本も見てない。
切実すぎてつらくて見たくなかったんですよね。
実際見ようとすると震えたり気分が悪くなったりして倒れそうになったこともあって、
女性の性的被害や婦人科系の問題の描写に耐えられないことが多い…
でもこれは実話を元にしたもので、全体に明るさのあるトーンなので見られました。
後味も良いです。

『コール・ジェーン』は、女性の選択の権利としての人工妊娠中絶を描いた実話を基にした映画だ。 本作に登場する「ジェーン」は実在した団体で、人工妊娠中絶が違法だった1960年代後半から70年代初頭にかけて、推定12,000人の中絶を手助けしたと言われている。しかし、1973年アメリカ連邦最高裁が合法判決を下した「ロー対ウェイド事件」※から50年、今、米国では、再び違法とする動きが活発化し、論争が激化している。女性たちが自ら権利を勝ち取った実話を映画化した本作は、映画祭で注目を集め大きな話題となった、今、観るべき社会派エンタテインメント作品である。
(公式サイトのイントロダクションより)

確かに今、日本だけでなく世の中の多くの国で右傾化、保守化が進み
中絶に反対する動きも出てきていて、
それへのカウンターとして「ジェーン」が再び注目されてきたというのはとても理解できる。
人にはいろんな事情があって、どうしても産めない人も多いだろうに、
女性の体と人生にだけ責任を押し付けるのは間違っているだろうに、
安全な中絶ができないために命を落としたり不幸になったりした女性はどんなに多いだろう。
この映画の中で中絶を選ぶのも、自分が死ぬかもしれないのに中絶を認められない主人公をはじめとして
レイプされた未成年や極貧の中(おそらく夫の強要で)8人目の妊娠をしてしまった女性、
全財産数十ドルたらずというような女性たちです。
2度とそんな時代に逆戻りしてはいけないと思うので、
こういう難しくないエンターテイメント映画として見られる作品ができたのはいいことです。

映画ですが
シカゴの弁護士の妻ジョイは、夫とはラブラブだし娘は少し反抗期?だけど幸せな主婦。
昼間から隣家の友達とカクテルを飲みながらポーチでおしゃべり、という
優雅で余裕のある生活を送っていたある日、
第二子の妊娠で心臓病が悪化し、中絶しないと命に関わる可能性があると診断される。
中絶が違法だった時代、病院からは拒否され、夫もどうしようどうしようと言うばかりで
病院の決定に従うしかない雰囲気の中、なんとか中絶して生きる道を探るジョイ。
そんな時「ジェーンに電話を(コール・ジェーン)」という張り紙を見て…というお話ですが
「ジェーン」ろ手伝う医師がなんとなく不思議な人物で、
何もできない上に保守的で保身に走るだろう夫とは心が離れて、この医師と通じ合っていくのか?
と、最初思ったんだけど、そういう話では全然なかった。笑
ずっと、この夫がいつ嫌なやつになるかと待ち構えてたんだけど、案外いい人だったみたい。
そしてヒロインの行動はやや直情的で考えなしな気もするけど、まあ結果オーライか。

「ジェーン」の活動を通して、主人公が変わり成長していく物語でもあり、
気楽な奥様で関心は娘のことや家のことだけだったジョイが、人助けをするうちに、
だんだん社会の格差や人種差別にも意識的になって責任感や使命感を持つようになるのも
よくある展開ながら安心して見られます。

「ジェーン」を引っ張って活動する女性シガニー・ウィーバーを褒めてる人も多かったけど、
わたしは元々シガニー・ウィーバーが好きで、違和感なかったな。こういう役にぴったり。

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