ああー、これって、「フランシス・ハ」みたいな自意識過剰のイタい女の話よねと
わかった時点で、ちょっとうんざりして近寄るまいと思ったのに、見てしまった。
「フランシス・ハ」の主演・共同脚本のグレタ・ガーウィグがここでは脚本・監督。
もう少し若ければ彼女が演じたらよかったような役。主演の子はグレタに重なって見える。
ヒロインは「ブルックリン」のシアーシャ・ローナン。
まだ24歳だけど、ややクラシックな顔立ちなので、ちょっと高校生は無理があったかな。
なんか、ドスドスした感じのイタい女子高生をやるには、美人すぎるし。
でも、微妙なセンスとか、美人を台無しにする髪とか、悪くなかった気はする。
ストーリーは、公式サイトにはあっさりとこれだけしか書いてない。
2002年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称“レディ・バード”)。高校生活最後の1年、友達や彼氏や家族について、そして自分の将来について、悩める17歳の少女の揺れ動く心情を瑞々しくユーモアたっぷりに描いた超話題作!
いろいろなことは起こるんだけど、日常の話なのでこういう説明になるのは仕方ない。
ヒロインは、自分の名前が嫌で、レディ・バードと呼んでくれといつも主張してるけど
あまり誰もそう呼んでくれない。これだけで、かなり恥ずかしい思春期臭満載。
都会やセレブに憧れて、出身地や家について嘘ついたり、
大人ぶって知ってかぶりをしたり、そういうのがばれて恥かいたりもします。
自意識過剰で、自分は人と違うと思いたい気持ちと
コンプレックスが入り混じっているところもああ、なんか恥ずかしい、ほんと思春期。
100分以下と短めな作りの映画なんですけど、中身はぎっしりしています。
少女が大人になるときの、初めての恋人、次の恋人、タバコ、お酒、パーティ、進路、
それぞれの問題が結構な濃度で描かれていて見ごたえはあります。
中でも、母親と娘の物語としての面は大きい。
とても強いパーソナリティのワーキングウーマンの母は、娘を否定ばかりして傷つける。
頭ごなしの否定が多く、遠慮のない厳しい言葉でずけずけ批判してくる。
娘も負けずに、反抗し、自立しようともがき、喧嘩に次ぐ喧嘩。
でもこれ、どちらも相手に愛されたいんですよね。
母は心の奥では娘の自立も受け入れているのに、なんか支配的になってしまう。
こういう母娘にはさまれた父親は、優しい優しい男で、鬱で失業中。
このお父さんは救いかもしれないけど、あんまり大きな役割は果たしてないです。
結局母娘の物語だな。
『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメくんが、キモいナルシスト男の役で
ほんまキモい。美形って、ひとつ違えばこんなにキモくなれるのねぇ。となんか感心。
その彼と付き合うようになって、その周りの派手な人気者グループに媚びるため、
人の家(豪邸)を自分の家だと嘘つくのは、まあかわいいけど、
自分によくしてくれる先生を裏切ったり、親友を軽く扱ったりするところは嫌だったなぁ。
ここで、主人公を好きでなくなっちゃった。
先生(カトリックの学校なので修道女のおばあさんです)も親友も暖かく許してくれて
また笑いあえるようになるので、関係ない観客のわたしも許せばいいのに、
わたしの心は狭い・・・。
保身や媚びのために、人を平気で傷つけられる人には、中々寛容になれないんだなぁ。
予告の中に出てくる、おかあさんのセリフは心にしみました。
I want you to be the very best version of yourself …
あなたの中の一番いいあなたになってほしいのよ、
あなた比最高のあなた、かな。
わたしも、それなりたいわ、と50歳過ぎても思うけど。笑
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