インド版ニューシネマパラダイスかな、二番煎じでノスタルジーで盛り上げて泣かせる感じかなーと
すれた気分で見に行ったらすっごく良かったー!
雪で乱れに乱れたダイヤに負けず見に行って本当によかった。
映画への愛、映画を愛することへの愛、映画のスクリーンの中だけでなく、
映画を映すこと、映画を作ることへの愛に溢れているのはもちろん、
この映画自体にとても美しい映画的なシーンが多くて何度もスクリーンに見いった。
主人公の少年が怒るお父さんに追いかけられながら画面を右から左に横切って走り、
その後ろをついて走ってくる他の少年たち、というような
何でもないシーンなどいちいち映画的で胸が震えるのよね。
川辺の草むらに並んだ上半身裸の少年たちが川向こうのライオンの群れを見ているシーン、
トロッコ?で線路を走るシーン、少年たちがとある場所からとあるものを運び出すシーン。
そういえば「光」を捕まえようとするシーンの一つはうちの猫を少し思い出した。
とにかく絵になる少年たちだった。
映画の要素である光と物語と音だけど、特に光に主人公が魅入られる様子は
かなり丁寧に時間をかけていろんなシーンで描写される。
映画を、物語のある意味のあるものとしてだけでなく、
光や映写機やフィルムなどその要素の一つ一つに惹かれて行くところの描写がとても良かったです。
そういった愛に溢れているのはもちろん、インドの素敵な料理映画の一つでもあって
→マダムマロリーと魔法のスパイス
→スタンリーのお弁当箱
インドの料理映画の佳作を思い出す。映画について以外で楽しめてこれは得した気分。
優しくてきれいなお母さんが美味しいおかずを料理しているシーンももっと長くたくさん見ていたかった。
あと、インドでの英語の話で、これもまた別のインド映画で見たけど、
ここでも同じようなことが描かれていることがありました。
貧しいけどバラモンである主人公に彼の教師が「今の時代のインドには二つの階層しかない、
英語を話せる階層とそうでない階層だ」と言い、
実際その違いが人の運命を変えてしまう様子が描かれているのも興味深かった。
今年はこのあとも映画作りをめぐる作品が続きます。楽しみです。
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