映画愛の映画かな、ミシェル・ゴンドリー監督みたいな感じかなー?と思ったけど、
ちょっと違った・・・いや、似てるかな?
時代設定は2003年。
主人公の映画オタクの高校生は自分だけはみんなとは違って、人にはない才能で
未来を切り開く人間なのだという自意識で周りを見下し、母親には傍若無人に失礼な態度、
友達にはあまりに酷いことを言い、尊重とか思いやりとかいうものが圧倒的に欠けている。
とはいえ思春期の子どもだし、壮絶に辛い過去もあるので優しい目で見守るんだけど、
いや、やっぱりだいぶあかんヤツです。
人の尊厳に関わるような絶対言ったらあかんことを人にぶつけるのは、おバカな子どもの甘えよね。
わたしが若い時に見たら、甘えんなよ!とムカついたかもしれないけど、
最終的には子供の成長を見守る気持ちでみることができました。後味は良いです。
公式サイトに
>『ゴーストワールド』(01)や『レディ・バード』(17)とも比較される本作は、どうしようもなくエキセントリックで切なく不器用な高校時代を描いた青春映画であるとともに、理想と現実の狭間でもがき苦しむ若者の普遍的な成長物語でもある。
と書かれてたけど、確かに「レディ・バード」の少年版の趣はある。
強くて歪な自意識に振り回される思春期は誰にでも覚えがあるだろう。
でもレディ・バードのヒロインの方がもう少し大人で友達ともちゃんと付き合えてたけどね。
カナダの田舎町で暮らすローレンスは映画が生きがいの高校生。社交性がなく周囲の人々とうまく付き合えない彼の願いは、ニューヨーク大学でトッド・ソロンズから映画を学ぶこと。唯一の友達マットと毎日つるみながらも、大学で生活を一新することを夢見ている。ローレンスは高額な学費を貯めるため、地元のビデオ店「Sequels」でアルバイトを始め、そこで、かつて女優を目指していた店長アラナなどさまざまな人と出会い、不思議な友情を育む。しかし、ローレンスは自分の将来に対する不安から、大事な人を決定的に傷つけてしまい……。(公式サイトより)
主人公はラッパーでもあるそうです。高校生の役だけど実際は結構年上かもね。
主人公の母親役や、奇妙な友情を育むビデオ屋の上司役の女性はどちらもとても良い。
彼女らの他の映画も見てみたいし、何よりこの監督の次回作も見たいです。
そしてこの映画で主人公がアルバイトするのがレンタルビデオ屋なんですけど
レンタルビデオ屋愛は溢れていました。
今の若い人はビデオというものも、レンタルビデオ屋も知らないかもしれないけど、
レンタルビデオ屋がわたしの映画の先生だったかもしれない。
80年代の学生時代にも映画館や名画座で人並み程度には映画を見てたけど
その後一度結婚し子育て中には本当にレンタルビデオ屋にお世話になりました。
本屋さんや図書館で本の背表紙を見ながら予想外のものを見つけて読むのと同じように
ビデオ屋さんで見た目で借りてすごく面白くて関連したものを借りて、
その横にあったものも借りて、とどんどん見たものです。
古い映画なら5枚1000円だった。1週間のレンタル期間に必死で全部見た。
そういうことの繰り返しで、わたしはできてる気がします。
近所のビデオ屋のことをたくさん思い出した。懐かしいなぁ。
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