同じ塚本晋也監督の「野火」にはなんというか、
必然性みたいなものが感じられたと思うんだけど
「斬、」には、それがない。
お侍さんの自分探しか。うへー、という気持ちになっただけ。。。
そもそも、手持ちカメラの多用が嫌いなんです。酔うもん。
乱闘シーンで揺れ揺れの映像を、延々見せられると、ほんと酔って気持ち悪くなる。
低予算でも、グラグラ揺らすことで、画面の隙間を埋めたり、
迫力や雰囲気を出したりの効果がほしのかもしれないけど…いや、もういいわ。
予告編を見て、すごい感動を期待してた訳じゃないけど、この淀み方はなんだろ。
自分探しは大体つまんないし気持ち悪いからなぁ。
この監督は人間の内側をあんまり向くのはやめた方がいいかも。
野火がまだよかったのは、個人のドラマでありながら、
戦争や世の中の不条理を糾弾することにもなってたからだけど、
斬、は普遍の何かにまでは全然届いてないように思えた。
いや、この映画の構図は「野火」と同じで一貫してて、とか
結局何も始まってない日本の状況を表しているもので、とか
あの人はあれのメタファーでこの人たちはこれのメタファーで、とか言われても、
この映画からそういうの読みとってあげる親切心が、
男のつまらない自分探しを見せられることで無くなってしまって、無理。。。
あと、女が、ついてくるなといわれたのに勝手についてきて敵に捕まって
足手まといになる、という、気は強いけど役立たずの女性像も、なんか嫌。
ただ冒頭の数十秒はよかった。音が、音の使い方が気持ち良かった。
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