次は、「刀 金象嵌銘 江磨上 光徳・花押」(鎌倉〜南北朝時代、郷(江)
義弘作、鍛鉄製、刃長69.7/反り1.8cm、一口、TNM所蔵)。
本阿弥家では“江”と称される郷義弘は、越中国松倉郷に住したと言
われ、在銘作は皆無ながら、相州伝上工として正宗十哲の一人に挙げ
られる。
本品は本阿弥家の光嵯と公益が泉州堺で見いだし、宗家九代光徳が
江と極めて千五百貫に代付し、慶長19年(1614)に光嵯の計らいにより
加賀藩第2代藩主前田利常が入手。
刀身の物打辺がやや細り棟には切り込みがある。地鉄は黒みを帯び、
淡く沸映りが立っている。刃文は小互の目に乱刃を交えて浅くのたれ、
匂口深く沸づいている。
金象嵌銘(北野江ノそうがん 光悦筆ニテ)には、樋痩を強調した光悦
流の銘字が目を引き、数少ない江の作刀に、さらに光悦の書という希
少価値が加わり唯一無二の名刀だ。
TNM(台東区上野公園13-9)
義弘作、鍛鉄製、刃長69.7/反り1.8cm、一口、TNM所蔵)。
本阿弥家では“江”と称される郷義弘は、越中国松倉郷に住したと言
われ、在銘作は皆無ながら、相州伝上工として正宗十哲の一人に挙げ
られる。
本品は本阿弥家の光嵯と公益が泉州堺で見いだし、宗家九代光徳が
江と極めて千五百貫に代付し、慶長19年(1614)に光嵯の計らいにより
加賀藩第2代藩主前田利常が入手。
刀身の物打辺がやや細り棟には切り込みがある。地鉄は黒みを帯び、
淡く沸映りが立っている。刃文は小互の目に乱刃を交えて浅くのたれ、
匂口深く沸づいている。
金象嵌銘(北野江ノそうがん 光悦筆ニテ)には、樋痩を強調した光悦
流の銘字が目を引き、数少ない江の作刀に、さらに光悦の書という希
少価値が加わり唯一無二の名刀だ。
TNM(台東区上野公園13-9)