続いて、「蔦蒔絵唐櫃」(慶長7年・1602、木製漆塗、46.6/57/46cm、
一合、広島・厳島神社所蔵)。
平家一門により長寛2年(1164)に厳島神社に奉納された「平家納経」
には、現在2つの収納箱が付属している。一つは奉納の際に誂えられ
た算段重ねの金属製経箱「金銀荘雲竜文銅製経箱」、もう一つが本作
「蔦蒔絵唐櫃」。
「平家納経」は慶長7年、当時広島城主・福島正則によって補修され、
再び厳島神社に納められた。本作はその際、同経とともに奉納された
ことが蓋裏に記された金蒔銘から判る。
加飾は蔦の葉が律動的に垂下する様子が描かれ、俵屋宗達一派の手
法に通じ、「平家納経」補修事業に宗達が関与したと想定される。こ
れは宗達風意匠工芸におけることを考慮する意味で基準となる作例の
一つだ。
TNM(台東区上野公園13-9)
一合、広島・厳島神社所蔵)。
平家一門により長寛2年(1164)に厳島神社に奉納された「平家納経」
には、現在2つの収納箱が付属している。一つは奉納の際に誂えられ
た算段重ねの金属製経箱「金銀荘雲竜文銅製経箱」、もう一つが本作
「蔦蒔絵唐櫃」。
「平家納経」は慶長7年、当時広島城主・福島正則によって補修され、
再び厳島神社に納められた。本作はその際、同経とともに奉納された
ことが蓋裏に記された金蒔銘から判る。
加飾は蔦の葉が律動的に垂下する様子が描かれ、俵屋宗達一派の手
法に通じ、「平家納経」補修事業に宗達が関与したと想定される。こ
れは宗達風意匠工芸におけることを考慮する意味で基準となる作例の
一つだ。
TNM(台東区上野公園13-9)