光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、光の束、ヒカリノタバ・・・。
海中で、数え切れない光の束のせめぎ合いが起こりました。私は、いや、ワタシは、その中で、束と束の間で、喘いでいました。
「ああっ、ワタシは弾かれる」
確かに、ワタシは、その光の中で、光たりえていませんでした。では、闇、ヤミ ? そう呼べるのかも私にはわかりませんでした。
ただ、どこかへ堕ちて行く感覚だけがワタシにありました。どこへ ? 海の底の方の遥かな地平のようなところでした。
「ああっ、ワタシは、もう人間ではないかも知れない」
そう思った瞬間、ワタシをすくい上げる大きな力が加わりました。ワタシは、果てしない地上に叩き上げられました。
「ここはどこだ ?」
ワタシは、辺りを見回しました。
「陸には違いない。しかし、もと居たところとは全然違う。しかも、細長い物体になっている。おや、これは何だ。鉄線 ? いや、触るとピリピリする。電線だ。・・・ワタシは電柱になった。ははっ、面白い。・・・いや、悲しいと言った方がいいのか・・・」
ワタシには、そういう判断ができなくなっていました。
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