とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

開墾地

2012-09-06 15:32:30 | 日記
開墾地



ピンクのそばの花が咲く開墾地
画像引用サイト・多謝

 貴方にぜひ見てもらいたいものがある。電話でそういう誘いがあったので、私は岡田さんのところへ車で出かけました。家に着くと、岡田さんの車に乗り換えました。目的地が分からないまま車は30分ほど進んで、やがて林の中に入っていきました。林を抜けると急に視界が開けて、一面ピンクの花畑が現れました。


 すごい眺めですね。ここが出雲だとは思われません。

 ええ、私もこの眺めを毎年楽しみにしています。

 観光農園みたいですね。

 そうですね。次第に口コミで広まって、最近は見学に随分来られるようになりました。

 それで、ここは岡田さんが開墾されたんですか。

 開墾地、と言えば言えなくもありませんが、もともとここの土地の大半は耕作放棄地でした。

 へえー、それをこんなに美しい畑にされたんですね。

 機械を入れました。でないと能率が悪いです。それに・・・。

 なんですか。

 数十名のお方に協力していただきました。

 地元のお方ですか。

 地元の方はもいますし、県外のお方もたくさん協力していただきました。

 そうですか。それで、その人集めは・・・。

 ホームページを開いて募集しました。しかし、何かメリットがないとなかなか集まらないので、オーナー制を採用しました。会員となっていだくお方は労働を提供することを前提としますが、その代わり採れた収穫物を現物で支給するか、売却した代金を分配しました。

 で、その会員は今でも引き続き・・・。

 そうです。出入りはありますが、人数はほぼ一定しています。

 岡田さん。

 なんでしょうか。

 岡田さんはここの畑以外にも小学校に出荷するために耕作地を開くおつもりですか。竹とか草との闘い、と仰っていましたが・・・。

 あくまで本拠地はここですが、新たに拓くつもりでいます。

 新たに・・・。

 そうです。新たに・・・。

 ありがとうございます。

 貴方にお礼を言われると恐縮します。実は、貴方たちが計画しておられることを知って、以前から大きな関心を持っていました。・・・目指すところが同じなんですね。

 そうです。そうです。進む手段・方法の違いですね。

 パラレルです。

 パラレル。

 もう一つの地域興しです。

 そうです、そうです。・・・みなさんにここのことを後で知らせます。私は長柄さんが、経済ということを言い出したその考えがいい形で実現しそうだと思いました。

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