とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

聖堂

2012-02-17 23:41:03 | 日記
聖堂




聖堂 (ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 1849-1917 ) イギリス ラファエル前派

 この作品は「祠堂」というタイトルもつけられている。ウォーターハウスの作品の中でも傑作の一つであると思う。私はこの画家の「嫉妬」という作品を島根県立美術館で鑑賞した。心理描写がぬきんでていて、鬼気迫るものがあった。この作品も少女の聖堂の前で見せた何気ない仕草に純粋な信仰心の発露を感じる。
 私は、実はこのタイトルの意味を浅く考えているかも知れない。もっと深い乙女心を表しているかもしれない。しかし、私は絵が秘めたものすごいエネルギーを感じる。この像自体が聖なる像に思えるからである。純真無垢という言葉では表現しつくされない心の深奥が仕草と表情に表れている。
 ・・・古賀画伯の言葉、「・・・化ける」ということの意味が分かったような気がした。絵に描かれると人物が人物以上のものに化けるのである。裏を返せば絵は恐ろしいとも言える。佐山さんの絵からもそういう気配を古賀画伯は感じたに違いない。

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