医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

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睡眠時無呼吸症候群の患者は交通事故を起こす確率が高い

2006年02月06日 | 呼吸器
一晩の睡眠中、無呼吸や低呼吸が1時間に平均何回あるかを示す指数をapnea hypopnea index (AHI)といい、この指標は睡眠時無呼吸症候群の重症度の指標として用いられています。この指数が高い人は交通事故を起こす確率が高いという報告です。

Sleep-disordered breathing and motor vehicle accidents in a population-based sample of employed adults
Sleep. 1997;20:608.
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★☆)

睡眠時無呼吸症候群の913人が対象になり、1988年から1993年の全米の交通事故の記録と比較することで調査が行われました。

AHIが5以上の男性は睡眠時無呼吸症候群でない人と比べて、5年間で3.4倍、交通事故を起こしていました。AHIが5から15までの場合は4.2倍、15以上の場合は3.4倍ででした。

男性と女性をまとめると、AHIが15以上の場合、5年間で複数の交通事故を起こした確率は、睡眠時無呼吸症候群でない人と比べて7.3倍でした。

もう一つの報告です。
Habitually sleepy drivers have a high frequency of automobile crashes associated with respiratory disorders during sleep
American Journal of respiratory and critical care medicine. 2000;162:1407.
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★★)

4,002人のドライバーがインタビューによって調査されました。そのうち145人(3.6%)が運転中に習慣的に眠くなると答えました。これらの人を、年齢や性別を合わせたコントロール群と比較したところ、交通事故を起こした確率は13.3倍でした。

また、睡眠時無呼吸症候群と診断された人はAHIが15以上で交通事故を起こす確率は6.0倍でした。

運転中に習慣的に眠くなると答えた人の中で、睡眠時無呼吸症候群と診断された人とそうでない人を比べるとAHIが15以上で交通事故を起こす確率は8.5倍でした。

交通事故の一部は睡眠時無呼吸症候群で説明がつき、睡眠時無呼吸症候群を治療することで交通事故を減らせるかもしれないと結論づけています。運転中に習慣的に眠くなり、5年間で2回以上交通事故を起こした方は睡眠時無呼吸症候群について調べたほうがいいかもしれませんね。

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